富裕層限定の「仕組債」商品と、 「IPO株」の優先割り当てがある!? – ダイヤモンド・オンライン

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元プライベートバンカーで、現在はフィンテック企業の経営者として金融情報に精通する著者が、その知識と経験を初めて公開する『プライベートバンクは、富裕層に何を教えているのか?』がついに発売! この連載では、同書の一部を改変して紹介していきます。

今回は、その複雑さからまさに富裕層向きといえる「仕組債」商品と、かたや一般人とも共通する「IPO株」について解説します。

仕組債は人気商品の1つ

 通常の社債や国債は、満期や利子(クーポン)が固定されています。しかし、そこに「スワップ」や「オプション」といった「仕組み(デリバティブ)」を織り込むことによって、市況のさまざまな変化に対応でき、なおかつ高利回りが期待できる債券も存在します。

 それが「仕組債」です。リーマンショック前に世界の大口の投資家たちがこぞって買っていた商品です。

 仕組債は通常の債券と比べると格段に高いリターンを期待できる反面、元本を著しく割り込むリスクもあります。また、流動性が通常の債券より低いため売却も困難です。

 商品によってさまざまなポジションにベットできる点と、ハイリスクですがハイリターンも狙えることが人気を呼び、徐々に個人投資家にも買われるようになりました。今ではプライベートバンクの提供する人気商品の1つです。

 世の中で仕組債が批判される傾向が強いのは、リーマンショックの際に広範な損失を生み出した、個別株を組み合わせて日経平均が30%下落したら一気に価値が急落したり、10銘柄をセットにして1銘柄でも40%下落すれば同じく価値が急落したりするノックインタイプのような商品が、多数かつ大量に拡販されていたイメージが強く残っているからです。

 『プライベートバンクは、富裕層に何を教えているのか?』では、実際にプライベートバンクが日本の顧客に提示している金融商品の一覧を掲載しています。関心のある方はぜひご参照ください。

 富裕層が仕組み債を買うメリットは、本来、機関投資家や法人ではないと買えないようなポジションを取れることです。たとえば「CSリスク・アペタイト・インベスタブル指数(レラティブ・バリュー)連動債」は、ヘッジファンドのように「ロング・ショート戦略」のポジションを取ります。そのため、ヘッジファンドに投資をしなくても、マーケットの上下動の両方で利ざやが取れる人気商品です。しかもヘッジファンドほど手数料が高くありません。

証券会社系プライベートバンクの強み

「IPO株の優先割り当て」

 企業が上場するときに配分されるIPO株。運良く上場前の公募価格で買うことができれば、上場日に初値がついた瞬間に価値が数倍くらいに跳ね上がることもあります。時に公募価格割れを起こすこともありますが、過去の実績を見ても滅多にありませんし、もしあったとしても10%減くらいがいいところなので、基本的には投資家が勝てる可能性が高い、プレミアム商品といえます。

 さて、普通の投資家がIPO株を入手する手段として思い浮かぶのは、「抽選」だと思います。

 IPO株というと、市場に出る株式のほとんどが抽選に回ると思われがちですが、実際に抽選で買えるものの割合は全体の1~2割くらいにすぎません。それ以外は上場の主幹事会社を中心に、各証券会社に「裁量配分」という名目で配布され、さらにそこから各支店へ割り当てされていきます。

「裁量」というくらいですから、それをどう配分するかは証券会社次第。支店レベルでは、頻繁に大きな額を取引する「太い」顧客や、これから優良顧客になりそうな投資家などへ割り当てられるケースが目立ちます。

 プライベートバンク部門を持っている証券会社であれば、当然のようにプライベートバンクの顧客用にも回ってきます。これは証券会社系プライベートバンクならではの強みで、特に野村、大和、日興といった主幹事に強い大手証券会社は有利です。

 プライベートバンカーとしては、新規開拓営業の際、随分と素直にこちらの提案に乗ってくるなと思ったら、最後に「じゃあ、IPO株よろしくね」と言われることも少なくありません。最初からIPOの配分目当てで契約をする富裕層もいるのです。

 ただし、プライベートバンクで口座を開設する顧客全員にIPO株が割り当てられるわけではなく、それなりの額の取引をしていただいたお客様から優先的に割り振っていくケースが多いのが実感です。




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