センスとパフォーマンスを武器に、売上高100億円の大台を突破 – NET-IB NEWS

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西武ハウス(株)

 地場マンションデベロッパーの雄である西武ハウス(株)は、2017年2月期の売上高が100億円を突破した。浮沈の激しい不動産業界で、長期的に一定の経営基盤を維持している企業は数少ない。バブル崩壊やリーマン・ショックを生き抜いてきた同社の現状を検証してみよう。

こだわりのブランド

西武ハウス(株) 本社

 西武ハウスは1983年8月に創業、85年7月に法人化された。現在では「モントーレマンション」のデベロッパーとして知られているが、設立当初の2年間は戸建住宅の販売、その後の2年間は賃貸マンションの1棟売りを行っていた。マンション分譲を本格的に開始したのは90年から。以後、一貫して「モントーレ」シリーズを供給してきた。
 企業理念として「時代(とき)を越えて残るものを」を掲げており、ブランド名「モントーレ(壁時計・置時計の意)」は、企業理念に由来したものだ。また、福岡のデベロッパーとして初めて住宅性能表示制度に対応した分譲マンションを発売するなど、品質へのこだわりは強い。

 代表の豊福清氏は、(株)ダイエーを経て不動産業界で経験を積んだ後、同社を創業。業界団体・九住協の副理事長を務めた経験もある。従業員は30名強で推移しており、営業社員の定着率も高い。もともと成果報酬に重きを置いた営業スタイルが一般的だった業界において、同社は長期的に営業を育てる方針を採用してきたからだ。

確実に売り切る販売力

 同社が初めて取り組んだ大型物件が、2007年4月に竣工した西戸崎の「モントーレ・ブルー・ラ・メールfukuoka」(315戸)。同業者から販売が難しいと言われたこの物件を、順調に売り切った。「ブルー・ラ・メール」と入れ替わるかたちで、同社のマンション分譲の中心になったのが、「モントーレラコルタユニバ通り」(共同住宅部分183戸)だ。当初、このプロジェクトは賃貸マンション、商業施設、分譲マンションの3つを開発し、賃貸マンション、商業施設部分はファンドに売却する予定だったが、サブプライムローンに端を発した不動産市況の落ち込みで、福岡初となるシニア向け分譲マンション開発へと計画を変更した。
 この物件は、同社の創業30年を記念したプロジェクトとなり、13年6月に竣工した。豊福社長自身の親の介護の体験から、介護と医療のソフト、ハード両面を完備し、24時間体制での介護スタッフ常駐と医療機関との連携によるシステムを導入。老人ホームの利用権方式と異なり、所有権方式で資産性の高い住居として高い注目を浴びた。周年事業に相応しく社会貢献も組み込んだ優れた物件と評価され、この物件も予定を上回るハイペースで売り切った。

優れた財務戦略

 売上高は15年に40億円台だったが、17年には100億円を突破した。売上高、利益ともに右肩上がりの状況だ。B/Sを見てみると、ここ3期、現預金は着実に増えている。デベロッパーの宿命で規模の拡大とともに借入金が増加しているが、自己資本比率も増加しており、事業利益が財務体質の強化につながっていることがわかる。
 同社が生き残ってきた理由の1つが、資金調達を含めた財務戦略の緻密さだ。優秀な銀行OBの人材に恵まれていることも、要因の1つだろう。浮き沈みの激しい不動産業界では、バランス感覚に優れた資金運用能力が必須となる。価格が下がったときに収益物件や土地を取得し、高くなったときに売る。単純なスキームだが、効果的に利益を確保するためには、ファイナンスの能力に長けていなければ難しい。同社の秀でた特徴である。

 同業者からは難しいと言われた大型物件を売り切ってきた同社。勝負勘に優れた豊福社長の経営手腕は、高く評価されるべきだろう。18年2月期も売上高100億円突破を見込んでおり、さらに総合不動産業者として、仲介や賃貸事業などへ裾野を広げる考えもあるようだ。
 豊福社長のこだわりやセンスで「モントーレ」ブランドが形成されてきた感がある同社。今後は組織として、商品のクオリティとパフォーマンスを維持・発展させていくことが課題となるだろう。

【緒方 克美】

<COMPANY INFORMATION>
西武ハウス(株)
代 表:豊福 清
所在地:福岡市中央区長浜3-16-6
設 立:1985年7月
資本金:3,000万円
売上高:(17/2)101億793万円
TEL:092-718-0075
URL:http://montre21.com




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