中国四大銀、不良債権比率5年ぶり低下、直接償却進む :日本経済新聞 – 日本経済新聞

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 【香港=粟井康夫】中国の大手銀行で不良債権の増加に歯止めがかかり始めた。四大国有銀行が31日までに発表した2017年1~6月期決算によると、6月末時点の不良債権比率は平均で1.65%と、16年12月末に比べて0.07ポイント低下した。四大銀の不良債権比率が低下するのは約5年ぶり。国内景気の安定に加え、不良債権の外部売却や証券化を進めた効果が出ている。

 「不良債権は今後も減らし続ける」。中国農業銀行の趙歓行長(頭取に相当)は31日の会見で、不良債権処理の進展に自信を見せた。

 6月末の不良債権残高は4行合計で7812億元(約13兆円)。昨年12月末に比べて1.8%増えたが、融資全体の伸び率(6.6%)を下回った。不良債権の予備軍とされる「関注(要注意)」債権も減少に転じ、融資全体に占める比率は3.31%と同0.31ポイント低下した。

 不良債権比率が低下した背景にあるのは、堅調な国内景気だ。インフラ投資や個人消費に支えられ、1~6月の実質国内総生産(GDP)成長率は前年同期比6.9%と安定している。商品市況も持ち直し、過剰供給体質にあえぐ業種も一息ついている。

 大手行は不良債権を簿価を下回る価格で外部に売却してバランスシート(貸借対照表)から切り離す「直接償却」を積極的に進めてきた。国有の不良債権処理会社大手、中国信達資産管理は「不良債権の買い取り市場の参加者が増えて競争が激化し、市場価格が上昇している」と打ち明ける。

 企業が銀行からの借金を株式に振り替える債務の株式化(デット・エクイティ・スワップ、DES)も本格化している。中国建設銀行の王祖継行長は「既に四十数社と5千億元を超える債権を株式化する契約を交わした。資本投下額は500億元近い」と明かした。

 企業は負債を圧縮して経営再建に取り組みやすくなり、銀行も不良債権残高を減らせる利点がある。ただ、DESの対象の大半は鉄鋼や石炭、化学など重厚長大型の国有企業。過剰設備を抱えて利益を生まない「ゾンビ企業」を温存し、経済の構造転換を遅らせるとの懸念も強い。再建が思惑通りに進まなければ、銀行はグループ内で保有する株式の減損処理を迫られる。

 「供給サイドの改革が深まるにつれ、企業の信用リスクがあらわになる可能性もある」(中国銀行の潘岳漢・首席リスク管理官)。不良債権処理が峠を越えたとは言い切れない、との慎重な見方も少なくない。

 四大国有銀行の1~6月期の純利益は合計で5036億元と前年同期比4.5%増えた。中国人民銀行(中央銀行)が短期金利を高め誘導したことなどで、利ざやが改善した。ただ中国政府は資産バブルを封じ込めるため金融部門の引き締めを強めており、今後の収益圧迫要因となる可能性もある。




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