デキる人は資料を「8割手書き」でつくる – ニコニコニュース

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デキる人は資料作成が速くて上手です。どこが違うのか。日本IBMでエグゼクティブ・プロジェクト・マネジャーを務める木部智之氏は「パソコンで作業する時間はできるだけ短いほうがいい」といいます。ポイントは「構想80%、パソコン作業20%」という時間配分。具体的な方法を紹介しましょう――。

※本稿は、木部智之『複雑な問題が一瞬でシンプルになる2軸思考』(KADOKAWA)を再編集したものです。

■いきなりパワーポイントを立ち上げるのはNG

「さて、資料作成に取りかかろう」とパワーポイントを立ち上げてしまったら……。もうそこで生産効率が半減することは間違いありません。

資料作成は、「構想80%、パソコン作業20%」の時間配分を意識すると、最小限の時間でのアウトプットが可能となります。そして構想は、必ずノートやコピー用紙に手書きで行います。

構想を手書きで行う理由は、「やり直しのムダ」を撲滅するためです。内容が確定していないのに、初めからパソコンを使って作業をしていくと、行き当たりばったりで進んでいくことになります。その結果、途中で論理が破綻したり、ダラダラと長いだけの資料ができあがる可能性が……。やり直しするにも大がかりな手術となりますし、パソコン上での修正は、思いのほか時間がかかるものです。

■資料の良し悪しは「手書き8割」で決まる

資料作成は、次の5つの段階(ステップ)を踏んで、完成をめざします。

<資料作成のステップ>
ステップ1:エッセンスを洗い出す
ステップ2:グルーピングする
ステップ3:伝える順序を決める
ステップ4:2軸で図解する
ステップ5:パソコンで資料をつくる

このうちパソコンを使うのは「ステップ5」のみ。残りの4ステップは、すべて手書きで作業しますので、その作業の成否によって資料の質が左右されます。

▼ステップ1:エッセンスを洗い出す

資料に入れ込むエッセンスを洗い出すのがステップ1です。ここでは「伝えたいこと・聞きたいこと」という2軸のフレームワークを設け、ここに考えついたことを記入していきます(私はこれを「2軸思考」と呼んでいます)。

ここに挙げる記載例は私の書いたもので、社内の中堅プロジェクト・マネジャー向けのプレゼンテーション「トラブルプロジェクトで学んだ経験」の資料を作成したときのものです。

このフレームワークに書き出したエッセンスは、さらにブレイクダウンして、1つずつ紙に書き込みます。

ポイントは、1つのエッセンス(伝えたいテーマ&コンテンツ)を1枚に収めること。1枚に2つ以上のエッセンスを書くと、次のグルーピングの作業ができなくなるので要注意です。私はA4サイズのコピー用紙を半分に切った紙を使用していますが、コンパクトなので、このあとの作業を効率的に進められます。

▼ステップ2:グルーピングする

エッセンスを書いた紙をグルーピングしていきます。

グループ分けは、そのとき作る資料に適した分類法を使用しますが、先ほど例に挙げた私のプレゼン資料のときには、プロジェクトマネジメントがテーマでしたので、「A:立ち上げ」「B:計画」「C:実行」「D:監視コントロール」「E:終結」という5つのグループに分けてみました。

具体的な作業としては、机の上に紙を並べながら、「これは同じグループかな?」「いや、こっちにするほうがわかりやすいかな?」などと考えながらまとめていきます。

仮に、ここまでの作業をパソコン上で行うとしたら、グループの入れ替えだけでもかなりの面倒な作業になります。紙の場合は、その点、バラしたり、並べ替えたりといった作業が容易です。

▼ステップ3:伝える順序を決める

資料を構成する「かたまり」が決まったら、それをどの順序で伝えるか、どのようなストーリーにするかを考えます。そのとき注意するのは、次の2つの原則です。

<ビジネスコミュニケーションの原則>
原則1:思考の流れ ≠ 資料の流れ
原則2:思考の範囲 ≠ 資料の範囲

ビジネスコミュニケーションの原則は、「結論が先」です。一方で、問題解決などの思考プロセスでは「問題定義→結論」です。つまり、思考の順番のままで資料を作成すると、ビジネスコミュニケーションの原則とは真逆の順序になってしまうのです。

もうひとつ、資料には、すべての情報を盛り込む必要はありません。問題解決で思考する際にはモレなくダブりなく考える必要がありますが、資料にすべて盛り込もうとすると情報が多すぎて読んでもらえず、重要ポイントも埋もれます。

◆ステップ4:2軸で図解する

ストーリーが確定したので、スライドの作成に取りかかります。

ポイントは、とにかく図解すること。良い資料とは、「読んでわかる」資料ではなく「見てわかる」資料です。どんなに資料の論理構造(グループ)と論理展開(順序)が良いものでも、文字の羅列で説明される内容よりも、表やグラフなどを使って説明された資料のほうがわかりやすいのです。

ちなみに、図解に「絵心」は必要ありません。伝えたいことを2軸のマトリクスや4象限、グラフの図解で表現すればいいのです。たとえ色使いのセンスがなくても、論理的に整理され、見てすぐに伝わる資料になっていれば、ビジネス資料としては合格です。

なお、このステップでもパソコンは使わずに手書きです。ただし、紙のサイズは2倍のA4サイズを使用します。ここからは完成資料の原寸大サイズの紙に下書きするためです。

ここで記入する内容は、「スライドタイトル」「キーメッセージ」「図表」です。

▼ステップ5:パソコンで資料をつくる

この最後のステップで、いよいよパソコンの登場です。基本的にはステップ4で手書きしたラフをパソコンで清書していけばOKです。

資料を作成する際のポイントの1つが、読み手の目線の動きを意識することです。目線は左上から右下に動きます。つまり、左上にある情報のインパクトが強いということです。

たとえば、「事象・課題・アクション」で問題を整理したマトリクスタイプの場合には、思考の流れは「事象→課題→アクション」となりますが、これを資料に落とし込む場合には「アクション→事象→課題」と順番を変えます。思考の流れ(事象→課題→アクション)で記載すると、最初に悪い事象(例:「トラブルの件数が多い」など)が目に入ってきてしまうので、読み手の頭がネガティブな状態からのスタートとなり、その後の提案などに暗い影を落としかねません。

グラフのデザインを工夫したり、色使いをキレイにしたりするような見た目を調整する作業は最後の最後、残り時間で行います。見た目にこだわる作業は、キリがありません。「資料の納期が来たらやめよう」くらいの位置づけと考えておきましょう。

以上が、最短で精度の高い資料を作成するための方法です。もし、上司のチェックを受ける必要がある場合は、できるだけ紙の段階(ステップ4)で見せることをオススメします。パソコンで完璧にできあがった資料でチェックを受けると、基本のストーリー展開や構成に修正が入った場合に、ゼロからやり直さなければなりません。繰り返しになりますが、パソコン上での修正は時間を要しますので、可能な限り避けましょう。

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木部 智之(きべ・ともゆき)
日本IBMエグゼクティブ・プロジェクト・マネジャー。横浜国立大学大学院環境情報学府工学研究科修了。2002年に日本IBMにシステム・エンジニアとして入社。2017年より現職。著書に『複雑な問題が一瞬でシンプルになる2軸思考』『仕事が速い人は「見えないところ」で何をしているのか?』(以上、KADOKAWA)がある。

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木部智之『複雑な問題が一瞬でシンプルになる2軸思考』(KADOKAWA)

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