海外債券ファンドが人気 高利回り、ピムコがけん引|マネー研究所 … – 日本経済新聞

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 トランプ米大統領の政策を手がかりにした「トランプ相場」で世界の金利は一時よりは上昇したものの、長期的に見れば依然低い。日本など先進国の国債運用では高いリターンは見込めない。そのため、世界中の投資家が利回りの高い債券を物色する動きを続けている。国内の投資信託市場においても、高利回り債券を対象とした海外債券型ファンドが人気だ。

 過去1年間のグローバル債券型ファンドの年間資金流入額ランキング(10月末時点)を見ると、「野村PIMCO・世界インカム戦略ファンド」(野村アセットマネジメント)、「三井住友・ピムコ・ストラテジック・インカムファンド」(三井住友アセットマネジメント)、「GSフォーカス・イールド・ボンド」(ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント)、「新光ピムコ・ストラテジック・インカム・ファンド」(アセットマネジメントOne)、「ブラックロック・BEST」(ブラックロック・ジャパン)が上位に並ぶ。

■上位20のうち12がピムコ関連

 気づくのは世界最大規模の債券運用会社、米ピムコが実質的に運用するファンドの多さだ。上位20のうち、実に12がピムコ関連のファンドとなっている。同社はかつて債券王の異名を持つビル・グロス氏の手腕が高く評価され、大量の資金を集めた。しかし、14年に同氏が退社し旗艦ファンド「ピムコ・トータル・リターン・ファンド」から資金が大量流出した。今年に入り、グロス氏後任のダニエル・アイバシン氏が運用する「ピムコ・インカム・ファンド」が好成績を収め、再び資金が流入し始めている。

 ランキング(10月末時点)のピムコ関連ファンドの年間騰落率は、高いファンドがプラス17.58%、低いファンドでもプラス4.09%と好調だ。これを受け、野村証券、SMBC日興証券など国内大手証券が販売に注力している。大和証券も10月から「ピムコ・インカム・ストラテジー・ファンド」(三菱UFJ国際投信)の販売を始めた。

 各社が販売する「ピムコ・インカム・ファンド」は、アイバシン氏が運用する「PIMCO バミューダ・インカム・ファンド」を主要投資対象としているケースが多い。ただ、委託会社やファンド名がそれぞれ異なることもあり、人気化していることがあまり話題になっていなかった。

 この「PIMCO バミューダ・インカム・ファンド」はユニークなファンドだ。米国政府関連債などの高格付け債券だけでなく、米国非政府系のモーゲージ証券、新興国債券、ハイイールド債券などに投資し、インカムゲイン(利子収入)を引き上げている。先進国の低金利が続く状況下、組み入れ資産の利回りは4.9%程度と高い。この点が投資家に評価されている。同ファンドの平均格付けは「シングルA」で、「高格付け債券型」と「ハイイールド債券型」の中間の商品特性を持つ。

■海外債券型の純資産が突出

 ピムコ関連に限らず、国内の投信市場においては、海外債券型ファンドの純資産残高が突出して多い。ファンドのタイプ別で見ると、「海外債券型」の残高は16.9兆円だ。これに対して、「海外株式型」は15.5兆円、「国内株式型」は9.9兆円、「海外REIT(不動産投資信託)型」は7.1兆円、「国内債券型」は2.9兆円、「国内REIT型」は2.7兆円にとどまる。

 高利回りの海外債券型は運用成績が安定しており、投資家の資金が集まりやすいためだ。その根源はインカムゲインの蓄積効果にある。投資対象の債券は値動きが小さく、長期的なインカムゲインの蓄積がパフォーマンスに大きく寄与する。特に海外債券は国内債券に比べ利回りが高く、人気が出やすい。

 一方で、海外債券の運用は円高により損失を被るリスクがある。そうした為替変動リスクはインカムゲインの高さと運用年数の長さによって、ある程度カバーできる。

 金利収入により投資資金を2倍にするために何年かかるのかを概算で示す「72の法則」という考え方がある。これは「72÷金利(%)=年数」の数式で表される。

 例えば、利回りが1%の日本の債券で運用した場合、投資資金を2倍にするには72年(72÷1)もかかる。一方で、利回り5%の新興国の債券で運用すると約14年(72÷5)で投資資金を2倍にできる。インカムゲインの差はこれほどまでに運用成績の違いを生み出すのだ。

 運用期間の長さも重要だ。詳しい計算式は省略するが、例えば1ドル=110円で利回り2%の米国債券へ投資した場合、5年後の円高の損益分岐点は99.6円となる。投資期間をさらに延ばすと10年後の損益分岐点は90.2円と、さらに下がる。

■急激な円高では含み益消失も

 ただ、新興国債券など利回りの高い債券はその分、信用格付けが低く価格変動リスクが大きい傾向があるので、注意が必要だ。インカムゲインの高さや運用期間の長さで為替変動リスクをある程度補えるとはいっても、1ドル=90円を超えるような急激な円高局面が到来すると含み益が一瞬にして消えてしまいかねない。自己のリスク許容度を勘案しながら投資する姿勢が常に求められる。




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