資産は1億2000万円 50代投資家のシンプル投資術|マネー研究所 … – 日本経済新聞

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06財務・会計, PBR(株価純資産倍率)/PER(株価収益率) コメントはまだありません



日経マネー


保有銘柄の企業から送られた封筒の山。約200銘柄に上る優待株の管理に苦労しているという

 「定年退職後に安定した収入を得られるようにするため、50代になって配当利回りの高い大型株の売買を始めた」

 こう話すのは、兼業投資家の談合坂46さん(仮名)だ。上場企業を50歳で退職し、再雇用制度を利用して子会社に移籍した。退職金の1700万円も投入して、日本株を売買している。

 高配当の大型株を売買する以前は、株主優待を手に入れることを目的とした優待株投資を主体にしていた。「優待株投資では、値上がりによる売却益は見込めない。そこで大型の高配当株にシフトした」

■若い頃の失敗を教訓に

 値動きの大きい中小型株ではなく大型株を選択した背景には、若い頃の失敗がある。

 「中小型株を売買していて、ある銘柄が値下がりしたところで買い増しするナンピン買いをした。ところが、株価は反発せずに下がる一方で、大きな損を出すことになった」と振り返る。

 この手痛い経験もあって、「値下がりしてもすぐに元の値段に戻ることが多い大型株を売買することにした」と説明する。「配当利回りの高い大型株への投資は、利息のほとんど付かない銀行預金にお金を入れておくよりもはるかにマシだ」

 ただし、談合坂46さんが狙っているのは、配当収入によるインカムゲインではない。値上がりしたところで売って手にするキャピタルゲイン(売却益)だ。銘柄を入れ替えながら、高配当の大型株の売買を繰り返し、2015年末に株式の運用資産が1億円を突破。17年10月下旬時点で1億2000万円まで増やした。

 「これまで証券口座に入金してきた資金の累計が約5000万円なので、それを上回る7000万円を株の売却益と配当で稼いだことになる」

 つまり、5000万円の元手で運用資産を2.4倍の1億2000万円に増やした計算だ。17年10月下旬時点では、金額ベースで全体の6~7割を高配当の大型株が占めている。残りは株主優待狙いの銘柄だ。「優待銘柄の方は徐々に売却を進めているが、まだ200銘柄ほど残っている」

 談合坂46さんが実践する高配当大型株の売買は、驚くほどシンプルだ。銘柄の選定基準は、(1)誰もが名前を知っていそうな大企業(2)予想配当利回りが4%以上──の2つだけ。株価が割安かどうかを判定するのによく使われるPER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)といった他の指標はほとんど考慮しない。予想配当利回りは、『日経会社情報』の予想配当利回りランキングでチェックする。

 予想配当利回り以外で唯一重視しているのは、株価の動きを示すチャートからトレンドやパターンを見いだすテクニカル分析指標の一つである「RSI(相対力指数)」だ。相場の上昇変動と下落変動のどちらの勢いが強いのかを計測する指標で、50%を中心として0~100%の範囲で推移する。

 投資情報サイトの「Yahoo!ファイナンス」の株価チャートなどにRSIの推移を表示する機能がある。このRSIが「売られ過ぎ」と判定される20%以下になったら「買い時」とみて、果敢に購入に踏み切る。「買われ過ぎ」とされる80%以上では決して買わない。「株価が下がったところで買うのが基本。株価が上がったところで買い増しすることはあまりない」

■日産自動車のスイングで儲ける

 一方、売却の目安は最近まで買値の2倍に置いていた。「今は相場の地合いがいいので、大型株でも2倍を超えて値上がりすることが多い。だから、2倍や3倍といった目安は置かず、銘柄ごとにその時の気分で売却している」

 日産自動車(東1・7201)については、RSIが20%以下になったら購入して値上がりしたら売却するスイングトレードを繰り返し、累計で約500万円の売却益を上げた。17年に入って売却していたが、無資格検査が9月に発覚して株価が下がり、予想配当利回りが4%台後半に再び上昇したことから、買い戻したという。

 17年10月下旬時点でも、時価評価額が1300万円近くに上るキヤノン(東1・7751)をはじめ、保有銘柄の上位には著名大企業が並ぶ(表)。

注:株価と指標は、17年11月2日時点

 「東京五輪が開催される20年に入ると、終了後の景気悪化を警戒して多くの投資家が売り始めるだろう。それまで相場は良好な地合いが続く」と読む。今の勤務先を辞めたら地方に引っ越す計画を持つ。「株主優待を使う機会が減るので、優待株は売却して高配当大型株に完全にシフトする」と語る。

(日経マネー 中野目純一)

[日経マネー2018年1月号の記事を再構成]





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