ラブマーク、ピータースら有名コーチが温める金の卵 – 日刊スポーツ

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 2017年のPGAツアーではジャスティン・トーマスやサンダー・シャウフェレといった20代前半の若手が頭角を表した。どちらの選手とも、シーズン前まではPGAツアーの中心選手ではなかったが、今シーズンはトップ選手に交じって多くの試合で首位争いを繰り広げるだろう。そして今季も、この二人のように台風の目になりそうな選手がいる。

●タイガーの元コーチが惚れ込んだ逸材

ジェイミー・ラブマーク(左)とクリス・コモ氏
ジェイミー・ラブマーク(左)とクリス・コモ氏

 先日、今シーズンのフル参戦の意思を表明したタイガー・ウッズ。術後、体に負担の少ないスイングに改造するために契約していたのがクリス・コモという若手コーチだ。

 コモはタイガーのコーチを務めるまで、トッププロを教えていた実績はほとんど無かった。しかしコーチングのキャリアは長く、生体力学(バイオメカニクス)の研究をするヤン・フー・クォン教授とともに活動をするなど、スイング理論にとどまることなく多くの知見を持っている”やり手”のコーチである。

 そんなコモとティーチングの契約をしているのが、29歳のジェイミー・ラブマークだ。PGAツアーでは未勝利だが、昨年はフル参戦してトップ10フィニッシュを3度記録している。

 ラブマークの最大の武器は飛距離だ。2016年、17年ともに平均飛距離は304ヤードを記録し、ドライバー飛距離ランキングでも同11位、24位と松山英樹よりも高い位置にいる。

 身長193センチ、手足が長く”飛ばし屋の素質”を持ち合わせているが、それに加えて地面を踏み込んでその反発力を回転に変える”地面反力”をスイングに取り入れている。

 この”地面反力”を使う動きは、コモの指導のもとタイガーも新スイングに取り入れている。筋力など、もともと持ち合わせている”内力”に加え、反動を使った力(反力)や重力といった自分の体以外から生み出される”外力”を使う事で、体に負担を掛けずに掛けずヘッドスピードを上げる事ができる。

 飛ばしに向く体と、それを最大化せる”地面反力”の力をあわせ持つラブマークは、まだまだ飛距離にも伸びしろがあるだろう。

 気になる点があるとすれば、少し形を気にしすぎるところだ。トーナメントの練習場で見かけると、コモと一緒に毎ショット入念にビデオでフォームのチェックを行っている。そのおかげでスイングはきれいなオンプレーンで、下半身から上半身への動きの順番も理想的な動きだが、あまり型にハマりすぎると実際のコースで通用しなくなってしまう事もある。

 試合では大きなプレッシャーを受けるため「形を完成させる」ことではなく、どんな状況でも「再現性が高い」ことが求められる。自分が動かしやすい再現性の高いスイングを見つけられれば、今シーズンのブレイクは必至だろう。

●欧州の飛ばし屋ピータース

トーマス・ピータース(左)を指導するピート・コーウェン氏
トーマス・ピータース(左)を指導するピート・コーウェン氏

 そんなラブマークと同じく、飛距離を武器にするのがベルギー生まれの25歳、トーマス・ピータースだ。欧州ツアーでの優勝はあるものの、PGAツアーでは未勝利だ。ピータースはヘンリック・ステンソンやリー・ウェストウッドなどのコーチを務めるピート・コーウェンに師事している。

 コーウェンは、スイングの技術的なサポートに定評のあるコーチだ。そのためピータースのスイングは腕と上半身の同調性が高く、非常に再現性の高い動きをしている。

 それに加えてラブマーク同様に、長い腕が生み出す遠心力や地面反力を効率的に使っており、PGAツアーで活躍できる日もそう遠くはないはずだ。

 ではなぜこれまで結果を残すことができていないのか。

 ピータースは2016年のライダーカップで大活躍したように波に乗れば強いが、まだ24歳という事もあり、一度歯車が狂うとメンタル面が原因で崩れる傾向がある。練習場でさえミスショットが出ると苛立ちを隠せなくなり感情的になる場面が見られる。こういった部分を克服すれば、安定した成績を残すことができるかもしれない。

 コーウェンはティーチングスキルに長けているだけでなく、人間的にとても熱いパッションをもって選手とコミュニケーションを取るタイプだ。名コーチの言葉によって精神的な成長を遂げられれば、PGAツアー初優勝が見えてくるはずだ。

 ◆吉田洋一郎(よしだ・ひろいちろう)北海道苫小牧市出身。シングルプレーヤー養成に特化したゴルフスイングコンサルタント。メジャータイトル21勝に貢献した世界NO・1コーチ、デビッド・レッドベター氏を日本へ2度招請し、レッスンメソッドを直接学ぶ。欧米のゴルフ先進国にて米PGAツアー選手を指導する80人以上のゴルフインストラクターから心技体における最新理論を直接学び研究活動を行っている。書籍「ロジカル・パッティング」(実業之日本社)では欧米パッティングコーチの最新メソッドを紹介している。オフィシャルブログ http://hiroichiro.com/blog/

(ニッカンスポーツ・コム/ゴルフコラム「ゴルフスイングコンサルタント吉田洋一郎の日本人は知らない米PGAツアーティーチングの世界」)




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