[人財 育てる生かす 4] 「任せる」実践で学ぶ 大規模経営“入門”続々 西部開発農産(岩手県北上市) – 日本農業新聞

Home » 05人事・人材開発 » [人財 育てる生かす 4] 「任せる」実践で学ぶ 大規模経営“入門”続々 西部開発農産(岩手県北上市) – 日本農業新聞
05人事・人材開発, 継続雇用制度 コメントはまだありません



照井社長(左)からコンバインの操作方法を教わる仲山さん(岩手県北上市で)

 広大な北上盆地に水稲や小麦などの農地が広がる。岩手県北上市の「西部開発農産」。820ヘクタールを経営する同社では、社員45人、パート65人が勤務する。社員の平均年齢は30代前半。若者たちは、日本で類を見ない大規模農場での農作業に憧れ、門をたたく。

 同社にとって、人材の確保は不可欠。育成の鍵は、徹底して若者に任せる方針だ。年功序列システムではなく、欧米型の成果主義を採用する。年齢や社歴を問わず、一定以上の裁量を与え、結果を出すよう促す。作業方法のノウハウは教えるが、やり方は押し付けない。若者のアイデアを最大限に引き出す仕組みが、若者のやる気、向上心を高め続けている。

 社長の照井勝也さん(48)は「『こうやれ、ああやれ』と言うとそのままのことをしてしまう。社員が考えることで既存の内容より良いものが出てくるかもしれない。責任を持てば、やりがいも感じやすい」と若者のアイデアを期待する。

 若者の話を聞くことも重視する。照井さんは「提案を受けると、違うと思っても最後まで聞く。最後まで聞いて自分たちが気付くこともある。間違いがあれば、相手に分かるように説明することが重要」と考える。 

 ソバや大豆の乾燥調製を担当する入社2年目の仲山大さん(27)は、自身の失敗が他の社員に大きな影響を及ぼすと、大規模農業法人ならではの悩みを明かす。入社1年目は作業の流れを学ぶため、力仕事も多かった。しかし、今年は責任のある仕事も任され始め、プレッシャーも感じるが「失敗してもいいからやってみろ」と先輩から背中を押される。同期入社の中には今年から圃場管理を任されるようになった社員もいる。日々新鮮な気持ちで作業に臨む。

 「西部開発農産での経験は農作業効率化につながった」と話すのは奥州市の農業法人「T Farm」社長の高橋幸浩さん(37)。大学卒業後に西部開発農産で2年間社員として勤務し、退職後に家業を継いだ。現在は12ヘクタールの水田や牧草4ヘクタールを栽培する。

 高橋さんは同社での経験を「学んだものは給料より大きかった。1人で仕事を完結させず、周りの人と共に仕事する重要性を学んだ」と実感する。西部開発農産での経験が、物の置き場所を決めるなど自身へのルール作りにつながり、結果的に農作業が効率化したという。

 西部開発農産では、離れた場所にある田畑もあり、担当する圃場によっては土質が異なることもある。そのため、土質を見極める技術面の向上にもつながった。高橋さんは「仕事としての農業の考え方を学べた。西部開発農産の経営哲学や事業展開に関する本が出たら買いたいくらい、学びが多い」と笑顔で話す。

  

 〈キーパーソン 照井勝也さんの3カ条〉

 ・裁量を与える・提案は最後まで聞く・考える習慣をつけさせる

 キャンペーン「若者力」への感想、ご意見をお寄せ下さい。ファクス03(3257)7221。メールアドレスはwakamonoryoku@agrinews.co.jpフェイスブック「日本農業新聞若者力」も開設中。


こんな記事もよく読まれています





コメントを残す