トヨタ、日産など、国内自動車メーカーの蓄電池戦略 – 環境ビジネスオンライン (登録)

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「キワモノ」でスタートした後、着実な成長のトヨタ

「リーフ」や「i-MiEV」が量産された2010年より以前、日系の自動車メーカーは電動化についてコンサバな姿勢を続けてきた。

それは、トヨタの影響だ。

日本の自動車産業界に絶大な影響力がある同社が、電動化の中核にハイブリッド車を据えたからだ。1996年に誕生した「プリウス」は、大手自動車メーカーが量産した、世界初のガソリンエンジンをベースとした電動車だった。この新技術について、ジャーマン3は「しょせん、キワモノ。長続きしない」と、嘲笑った。

しかし、2000年代中盤からアメリカでハイブリッド車の認知度が高まったことで、ジャーマン3もハイブリッド車開発を余儀なくされた。

トヨタは、車載用の蓄電池でハイブリッド車向けのニッケル水素電池を中核に据えた。供給元は、パナソニックEVエナジー(現プライムアースエナジー)で一本化した。同社がリチウムイオン二次電池の生産を始めたのは、ニッケル水素電池の生産量が車両ベースで200万台を突破した2009年と、かなり遅い。

トヨタとしては、ハイブリッド車という電動車の母数を増やすことで、ニッケル水素電池の量産効果を上げて、その価格を低減することを重視した。

新型プリウスPHV

新型プリウスPHV

大勝負に出た日産

一方、ハイブリッド車戦略でトヨタに大きく出遅れていた日産は、EVの大量生産という大きな賭けに出た。

それに伴い、リチウムイオン二次電池を企画製造する、オートモーティブ・エナジー・サプライ(AESC)を設立。基礎技術については、NECトーキンが担当し、神奈川県内にセルの生産工場を新設した。

2010年の「リーフ」発売を目指して生産準備を進めたが、電池の生産初期は苦戦を強いられた。製品の歩留まりを改善するため、外部からの大型蓄電池の製造経験者の応援を頼むなど「生みの苦しみ」を味わった。

そして市場に投入された「リーフ」は、いわゆる新車効果で日本国内やアメリカで販売が好調に見えたが、その後の販売は伸び悩んだ。原因は、原油価格が安値で安定したこと、またアーリーアダプターの後のボリュームゾーンに至るほど「リーフ」商品が強くなかったことなどが挙げられる。

日産は2010年当時、「リーフ」に続き、商業バン「NV」、さらにスポーティクーペなど多彩なEVを次々と市場投入し、EVフルラインアップを構築することでトヨタとの差別化を図ろうとした。

しかし、こうした日産の思惑は外れ、これが原因となり電池の材料関連の企業が生産体制を大幅に見直するに至った。

そして2016年には、日産が自社でのリチウムイオン二次電池の開発を中止し、外部から調達するため、AESCの株式を手放す検討を始めたとの報道が流れた。

日系各社は、仕切り直しの時期

トヨタ、日産の他には、GSユアサがホンダとブルーエナジー、三菱自動車とリチウムエナジージャパンを合弁事業として立ち上げた。

ホンダの場合、EVやFCV(燃料電池車)について、東芝のSCiBを採用しているが、2017年2月には日立オートモーティブとモーターなど電動機器の合弁事業を立ち上げるなど、電動化技術での新たなる模索が始まっている。

また、三菱自動車の場合、日産との事業提携によって、モーターやリチウムイオン二次電池の調達についても、今後は日産主導となる公算が高い。

このように、日系自動車メーカーにおける車載用の蓄電池事業は、トヨタを除き、いったん仕切り直しの時期に入ったといえる。




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