GAPを抜いて世界3位”ユニクロ”の成長力 | ニコニコニュース – ニコニコニュース

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ユニクロ銀座店は1F~12F全フロアがユニクロという世界最大規模のグローバル旗艦店。

「ユニクロ」を運営するファーストリテイリングの海外事業が好調だ。直近の決算は売上高、純利益ともに過去最高を更新。これまでアパレル企業の世界3位は米国のギャップ(GAP)だったが、それを抜いて世界3位の座を固めつつある。「2020年に連結売上高3兆円」という目標は達成できるのか。『図解!業界地図2018年版』(プレジデント社)の著者が分析する――。

■GAPを抜き、世界3位の座は確保

カジュアル衣料販売の「ユニクロ」や「ジーユー(GU)」などの店舗を運営するファーストリテイリング。17年8月期決算は、売上高が前期比4.2%増の1兆8619億円、純利益は前期比2.5倍の1192億円で過去最高益だった。

国内では2位しまむらの3倍を超える規模があり、断然トップだ。海外企業と比較しても世界3位の座を確実にしつつある。

売上高世界1位は「ザラ(ZARA)」ブランドのインディテックス(スペイン)で売上高は約3兆円(233億ユーロ)。世界2位はスウェーデンのH&M(へネス&マウリッツ)で約2兆6000億円(1922億スウェーデンクローナ)。この2社を追い抜くには、まだ時間がかかるだろう。

世界3位を米国企業のギャップ(GAP)とファーストリテイリングが横並びで争っているわけだが、ギャップの17年2月から7月までの6カ月間の売上高は、ほぼ前年並みの水準で推移しており、このままでいけば年間売上高は、ファーストリテイリングを下回る1兆7000億円程度にとどまるようだ。ファーストリテイリング3位、ギャップ4位という流れである。

ファーストリテイリングの期末における国内外総店舗数は3294店舗。内訳はユニクロが国内831店舗(うちフランチャイズ41店舗)、海外1089店舗で合計1920店舗。ジーユーなどグローバルブランドは1374店舗である。

就業者は社員が約4万4400人、準社員・アルバイトが3万1700人強、合計では7万6000人を超える。

中国580店舗(香港含む)、韓国179店舗など海外のユニクロ店舗数がすでに、国内店舗数を上回っているように、海外事業の伸長が同社の今後の成長のカギを握っているといっていいだろう。

国内ユニクロ事業「売上高8100億円・営業利益960億円」に対して、海外ユニクロ事業は「売上高7080億円・営業利益730億円」と、国内と海外の差は縮小傾向にある。ここ数年来のそれぞれの伸び率からすれば、国内外の逆転は確実な情勢だ。

■デザイン性より機能性を重視した商品

ファーストリテイリングの儲け具合も確認してみる。収支を1000円の商品販売にたとえてみた。原価と経費はいくらについていて、儲け(営業利益)具合はどの程度なのか――。

同社はSPA(製造小売業)として成長してきた企業だ。同じSPAでも自社工場を持つ家具販売のニトリホールディングスとは対照的に、製造そのものは協力工場に依頼するというのが、同社のビジネスモデル。つまり、素材メーカーと直接交渉して大量に原材料を調達し、それを協力工場で大量の製品に仕上げ、全量を買い取ることで、商品原価をできるだけ低く抑える。

保温性に優れていることから冬の定番として世界的にヒットしている「ヒートテック」に代表されるように、デザイン性よりも機能性を重視した商品が得意分野。同社の表現を借りれば「究極の普段着」である。

仕入れが中心のしまむらの場合、1000円の商品にたとえた原価は600円台後半。それに対してファーストリテイリングは500円前後である。SPAの強みをいかしている証左だ。

ちなみに、「ファッションセンターしまむら」を中心に「アベイル」や「バースディ」などの店舗を運営しているしまむらの納入先として明らかになっているのは、繊維商社のタキヒヨーや衣料品製造卸のクロスプラス、ストッキングやインナーのアツギなどである。

経費で注目すべきは人件費だろう。17年8月期の人件費の計上額は2525億円。13年8月期1401億円の1.8倍である。就業人数そのものが増えたこともあるが、パートの正社員化を推進したことも、人件費の増額につながったようだ。ただし、1000円の商品販売における人件費の割合は、毎期のように135円前後で推移。人件費増を売上高の伸びでカバーしていることが見てとれる。

1000円の商品販売で獲得している儲けはここ3期、98円、72円、95円で推移。同じように計算すれば百数十円台をキープしている、インディテックスやH&Mと比べると多少見劣るものの、日本の小売業としては高水準の儲け具合といっていいだろう。

ユニクロといえば、女性客が中心と思いがちだが、男性用の販売も女性用に劣らない。国内店舗でいえば、女性用が全体の半分弱を占め、男性用が4割強、その他が1割といったところだ。

■課題は「情報製造小売業」への業態変革

その国内ユニクロ直営店の1店舗1日平均売上高は、250万円前後で推移している。10年8月期は200万円を切っていたように、国内ユニクロ直営各店の1日平均売上高は年々上昇してている。

ただし従業員1人当たりの1日平均売上高は減少傾向にある。これは店舗の運営スタッフが増加しているからだろう。1店舗の平均スタッフは15人前後とみられる。

売上高と期末在庫で計算した商品回転日数からは、国内ユニクロ直営店は、およそ40日で店頭商品がすべて入れ替わっていることになる。

ただし、国内直営店舗数そのものは、すでに海外店舗数に逆転されているように減少傾向にあり、店舗数も1店舗1日平均売上高も伸びている海外ユニクロやグローバルブランドが、同グループの成長を担う役割を負うことになる。

事実、海外市場での事業拡大に向けて、ニューヨーク5番街店のオープンに46億円を投じるなど、世界主要都市における大型店の出店を推進。特に、東南アジアを中国、韓国に次ぐ市場に育成するとしている。

リアル店舗にとってはネット通販も大きな経営課題になるが、同社は売上高に占める割合が5%程度にとどまるネット通販の割合を、将来的には30%にまで高める目標も掲げる。

そのための戦略が、顧客が求める商品を速やかに商品化し、独自の物流網でダイレクトに届ける「情報製造小売業」への業態変革だ。すでに国内では、実店舗とEコマースの融合に向けた自社独自の物流体制を構築。今後は、海外でも物流改革を推進する。

20年の売上高3兆円、営業利益率15%という壮大な目標は本当に実現するのか――。柳井正会長兼社長の舵取りから目が離せない。




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