第31回日本ユネスコ国内委員会自然科学小委員会国際水文学計画(IHP)分科会議事録 – 文部科学省

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第31回日本ユネスコ国内委員会自然科学小委員会国際水文学計画(IHP)分科会議事録

1.日時

平成29年9月4日(月曜日)14時00分~16時00分

2.場所

文部科学省13階13F1会議室

3.出席者

(委員)
立川 康人(主査、国内委員)、植松 光夫(国内委員)、黒田 玲子(国内委員)、河村 明、辻村 真貴、春山 成子、檜山 哲哉、澤野 久弥、渡辺 紹裕、松木 洋忠

(関係省庁)

国土交通省、外務省、内閣府

(文部科学省(事務局))

川端国際統括官、池原文部科学戦略官、小林国際戦略企画官、秦国際統括官補佐、仙台ユネスコ第三係長、その他関係官

4.議事録

【立川主査】  それでは、日本ユネスコ国内委員会自然科学小委員会第31回のIHP分科会を開催したいと思います。

 今日は、お忙しい中、先生方お集まりくださいまして、どうもありがとうございます。定刻になりましたので、今から始めたいと思います。

 まず、事務局は定足数の確認をお願いいたします。

【秦国際統括官補佐】  本日は、出席の委員が10名いらっしゃいます。委員の過半数8名以上ですので、定足数を満たしております。

【立川主査】  ありがとうございます。

 それでは、これから分科会を開催いたしますが、本分科会は国内委員会の規定に基づき、議事を公開いたします。御発言は議事録としてそのままホームページ等で公開されますので、御承知おきくださいますようお願いいたします。

 それでは、事務局から配付資料の確認をお願いいたします。

【秦国際統括官補佐】  今日お配りしています資料でございますが、皆様の机の上にいくつかご用意しています。議事次第と書かれている資料の方の一連は配布資料として、資料1から10と付いていると思います。また、参考資料として、参考の1から6で6種類の資料が付いております。それとは別にピンクの席上配布資料で、2種類の資料が付いております。会議の途中でも結構ですので、不足の資料がございましたら事務局までお申し付けください。

【立川主査】  では、資料はよろしいでしょうか。

 それでは、IHP分科会開催の背景、それから、新任委員の紹介について少しお話をさせていただきたいと思います。

 これまではIHP分科会、実は2年に1回の開催でした。どういうときに開催しておりましたかと言いますと、6月に政府間理事会が2年に1度開催されます。そのときに、日本政府としての発言内容や、あるいは対応方針を確認することで、その政府間理事会の前に2年に1度IHP分科会を開催してまいりました。2年に1度ということは、それはそれで非常に大事な会議なわけです。ただ、2年に1回ですので、様々な情報共有する時間がほとんど実は取れません。その対応方針のみを議論するだけでもう2時間たってしまいます。それ以外にも、IHPの活動は様々行われております。なかなかそれに対してしっかりとオーソライズした場で情報共有する場がこれまでありませんでした。

 特に、この大事なIHPでずっとやっております活動としましては、例年大体11月の3週目にRSCというリージョナル・シェアリング・コミッティがあります。東アジア、それから東南アジアの各国の代表が集まりますRSCというものを大体11月の第3週目に恒例としてやっております。今年もフィリピンで開催予定です。それから、IHPのトレーニングコース、これは名古屋大学のトレーニングコース、それから何年か前に京都大学もそれにお手伝いするような形で、名古屋と京都で結局は毎年やっておるわけです。このトレーニングコースが概ね12月の1週目、11月の最終週辺りから大体12月の2週目にかけて2週間程度、集中講義をやっております。

 こういうことについて、例えば内容の確認や、あるいは前年行われたことから得られたいろいろな知見等を共有する場も余りありませんでした。ですので、是非1年に1回、そういうことを共有する場を作っていただけないかと。大学研究者だけではなくて、日本政府の活動としてやっておりますので、政府の方々も含めてそういうことを共有する場がほしいとお願いしましたところ、それでは大体8月、9月辺りに毎年やることが可能ということを事務局で御検討いただきました。そのようなことでしたので、今年からそのような形で開催させていただくことにしたというのが、今日やっておりますこの会議の背景となります。

 これについて、委員に皆様方から何かございますか。私は是非こういう場を持たせてほしいと思いまして、今回もこのようにたくさん先生方、委員の皆様お集まりくださいまして本当に感謝を申し上げたいと思います。

 それでは、新任委員の紹介をさせていただきたいと思います。

 まず、6月末に国立研究開発法人土木研究所を御退任された三宅様の後任として、澤野久弥様、国立研究開発法人土木研究所 水災害・リスクマネジメント国際センター水災害研究グループ長、ICHARMの研究グループ長をなされております澤野久弥様が、今回から新しくメンバーとして入っていただきます。

 澤野様、もしよろしければ一言お願いいたします。

【澤野委員】  澤野です。ICHARMには上席研究員として3年在籍したのですが、三宅の退職に伴いましてグループ長を7月1日から拝命しております。国際関係は以前インドネシア、タイのJICA専門家、それからWMO等で勤務した経験がございます。これからよろしくお願いいたします。

【立川主査】  どうもありがとうございます。

 もうお一方、新たに委員として御就任をお願いしております9月1日付けで国土交通省から松木洋忠様、国土交通省の水管理・国土保全局河川計画課国際室長の松木様の御参画をいただいております。よろしくお願いします。

【松木委員】  松木でございます。初めて参加させてもらっております。国際的なSDGsの話、それから水行政での現場の話、そういうものを議論の場に持ち込んではどうかというお話がありまして、有り難くお受けしました。よろしくお願いいたします。

【立川主査】  どうもありがとうございます。

 元々IHPはその政府間のいろいろなことを進めていくということです。大学の研究所だけではなくて、その国自身の省庁の方々にも御参画を頂くところです。特に、国土交通省は、このSDGの水関係に関することで実際にいろいろなこともやっていただいております。これまではオブザーバーとして御参画を頂いたのですが、そうではなくて、委員として入っていただく方がよかろうということで、少し事務局とも御相談いたしました。今回新しく御快諾いただいたということで、新たに松木様に御参加を頂いております。どうもありがとうございます。よろしくお願いします。

【松木委員】  よろしくお願いします。

【立川主査】  加えて、事務局にも人事異動がございましたので、事務局から御紹介をお願いします。

【秦国際統括官補佐】  平成29年4月1日付けで、国際統括官並びに日本ユネスコ国内委員会事務総長として、川端和明が着任しております。

【川端国際統括官】  川端です。よろしくお願いします。

【秦国際統括官補佐】  また今日はまだ遅れているようですが、同日4月1日付けで、大臣官房国際課長並びにユネスコ国内委員会事務局副事務総長として、里見朋香が着任しております。

 続きまして、7月11日付けで、文部科学戦略官並びにユネスコ国内委員会事務局副事務総長として、池原充洋が着任しております。

【池原文部科学戦略官】  池原でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

【秦国際統括官補佐】  続きましては、2月1日付けで、国際戦略企画官並びにユネスコ国内委員会事務次長として、小林洋介が着任しております。

【小林国際戦略企画官】  小林でございます。よろしくお願いいたします。

【秦国際統括官補佐】  最後になりましたが、4月1日付け国際統括官補佐、ユネスコ国内委員会事務局長補で私、秦が着任しております。よろしくお願いいたします。

【立川主査】  どうもありがとうございます。

 それでは、議題に進みたいと思います。初めに、議題1として、第55回のIHPのビューロー会合の内容について簡単に御報告申し上げたいと思います。

 資料は2-1です。2-1はこのビューロー会議の簡単な概要です。どのようなことが議論なされたのかという報告の概要が資料2-1です。それから、資料2-2にIHP-WINSというデータベースです。IHPが新たにこういうデータベースを作っていて、このような案内がありましたので、少し簡単に後で御説明申し上げたいと思います。これは資料2つです。

 それから、参考資料5です。これは英文ですが、第15回のビューローの内容、これが全文です。ファイナルレポートとしてユネスコIHPのホームページに載っているものですが、ほぼ全文でここにあります。この英文の中に一部アンダーラインを示したり、あるいはマークをしてあるところがあります。ここについて特に大事なところを和文の資料2-1にまとめています。それと、席上配布の資料1です。このピンク色の表紙の資料の1、2です。元々このビューローは一体何をやっているのかという枠組みについても簡単に説明しています。

 簡単に申し上げますとIHPの活動の1つとして、この各国のメンバー国が集まるものとしては、IHPのインターガバメンタル・カウンシル、政府間理事会、これは2年に1度、大体概ね6月にあります。理事国等が参加するものです。

 その下のIHPのビューロー、執行部会議があります。メンバー、議長1人、副議長4人で、今たまたまこのアジアの中で、私が副議長として選出されているものですから、この春の第55回のビューロー会議に参加してきたことになります。ビューロー会議の機能としましては、理事会のいろいろな日程や理事会の委員会やワーキンググループ、理事会の準備、それからいろいろなプロジェクトが行われていますので、その進捗状況の点検等が行われています。

 今、議長がアンドラスさん、ハンガリーの方ですが、多分日本の大学の先生方は御存じの方は多いかと思います。アンドラスさんは元々事務局のセクレタリーでもいらっしゃいましたが、非常に精力的にこの議長として活躍されてます。デルフトにあるユネスコIHE(ユネスコ水教育研究所)のレクターもされていましたので、本当にユネスコのいろいろなアクティビティに精通しておられる方です。この方が今議長ですので、非常にアクティブに動いておられます。

 それの下に副議長という形で、それぞれ5つリージョンがありますので、そのリージョンからの代表がそのリージョンを代表して意見を出す形で、このような形になっています。このようなビューロー会議があります。大体次の政府間理事会の準備をするために、次のビューロー会議があります。次のビューロー会議は2月にあることになります。

 それで、第55回ビューロー会議の概要を簡単に御説明申し上げたいと思います。資料2-1を御覧ください。場所はユネスコ本部のパリでありました。報告の概要が1から10までありますが、詳しくはもし御関心がありましたら英文の方を見ていただければと思います。

 まず、予算に関することで、アンドラスさんが非常に強く発言をしておりました。そこにあります予算、水に関する独立の予算費目、これはメイン・ライン・オブ・アクションというのでしょうか。この中に水に関する独立の予算費目がないことが非常に残念だと。IHPは元々国連の中の組織で、元々水に関することをやっていた一番伝統あるプログラムにも関わらず、だんだんと全体的な予算の中でこのメイン・ライン・オブ・アクションの中にこの水に関する独立予算がユネスコの中で位置づけられていないことに懸念があります。一方で、国連の中には、いろいろな水に関する活動が出てきているので、そういうことを考えると、元々国連の中で一番水に関することをやってきたのはこのIHPなので、もう一遍そこに立ち返って目を向けてほしいという意図だと思います。

 このようなことで、水に関する独立の予算費目がないということに懸念を示すということで、レターを書いて、これを事務局長に送る準備をしております。レターはもうできていて、私のところには送ってきていて、この文面でよいかということで今ずっと回覧されています。もうじき懸念を伝えるという文書が、ビューローから事務局長宛に送られることになると思います。

 それから、3番のところです。ビューローメンバーの選出方法等について、ずっとかなり長いこと議論がありました。いろいろな方法が考えられてきたのですが、いろいろな加盟国のアンケートも取られました。結局どういうことで落ち着きそうかと言いますと、そこにある、これは従来と同じですが、ビューローメンバーの任期は2年、再選はしないことになっています。では、どういう人がメンバーとして選ぶかですが、これは個人としてではなく、国を代表する形で参加ということが各国のメンバーの意見でも大半を占めましたので、このような形に落ち着くと思います。なので、随分とドラスティックに踏み込んだ案も出ましたが、基本的には従来と同じ形で、最終的にここで決着が付きそうだと。次の第56回のビューロー会議が今年度中に行われますが、そのときに改定案を作って、おそらく次の来年6月の政府間理事会に諮られる方向になるのではないかと思います。

 それから、6番です。国連の枠組みにおけるIPCC(気候変動にかかる政府間パネル)で、気候変動に関するいろいろな知見が取りまとめられています。その中で水文学や水資源の中でも相当な知見があるので、是非このような気候変動に関するIHPの活動を取り上げて出版するようなことを考えたいとアンドラス議長が言っておられました。これについては、次のビューロー会議のときにもう一度詳しく議論があるのではないかと思います。方向性が決まりましたら、もしかしたらこの国内委員会に皆様方にも少しいろいろなことでお願いをすることになるのではないかと思います。

 それから、7番目です。IHP-WINS(IHP水情報ネットワークシステム)というもう1個の英文の資料がありますが、これはホームページで「IHP-WINS」と叩いていただきますと、このホームページに行くことができます。これはこのIHPで作っている様々なデータがいろいろなところに分散している状況にあるのを、できればこういうところに集約して、ずっとデータベースとして誰もが見られるような形にしておきたいというそういう枠、箱を作ったという位置付けであると思います。そこは行っていただきますと、幾つかの地理情報等も準備してあります。そこで幾つか少し自分で加工してそのデータを使ったりすることもできるようになっています。こういうところで要求があるのは、できるだけいろいろなデータをこういうところにアップロードして、誰もがアクセスできるような形にしていくといいのではないかということがありました。

 それで、数か月前、アドミニストレーター的なIDを配布するので、3つ機関を出してくださいとユネスコの事務局からありました。まずは、まだ本格的に動いていないですが、とりあえず事務局の方々と御相談しました。3つとしては、例えば国交省とICHARMで1つ、この委員会で1つ持っていただいて、もう1つ、少し後で申し上げますが、ユネスコ・チェアが恐らくできていくので、そういうところぐらいでユーザーIDを持って、日本としてデータをアップロードするようなことを考えてはどうかという状況です。ただこれについては流動的ですし、恐らくIDを増やしたりもできると思いますので、当面そのような形で考えております。もちろん閲覧する方は、多分幾らでもIDはできるということだと思います。お時間ありましたら、一度ここを見ていただければと思います。

 それから、8番目でカテゴリー2センターについてです。ICHARMをはじめとするカテゴリー2センターですが、このうち幾つかアクティビティが余り高くなくて、こういうところを将来どうしていくかということについて、関係する政府代表部との調整を促すことが議論されました。日本に関しては、ICHARMは非常に模範的な活動をなされていて、このビューローの中でも非常にICHARMは高く評価してくださいます。ビジビリティも高くて、世界的に顕著に活躍してやっているということです。ICHARMは今カテゴリー2センターの模範的なセンターで、本当に有り難いです。そういうことがありまして、日本については、我が国については全く関係することではありませんが、こういうことがありました。

 それから、10ですね。次回のビューロー会議は2月20から22日の予定で、政府間理事会は6月18から22日の予定です。例年、このビューロー会議は4月に行われることが多いようです。4月に議題を準備して、この8月のビューロー会議に臨むことが普通でした。そうすると、ビューローで決めたことを、ビューローと政府間理事会が非常に近くて、いろいろな準備がその間に余りできないと、もう少しビューロー会議を前倒しできないかということが議論されました。結局、いろいろな人の調整の中でこの2月になったということです。

 以上がビューロー会議の報告です。何かございますか。特に、このIHP-WINS、水文・水資源の先生方は、一度ここはアクセスしていただければと思います。また、何か御意見がありましたら、それをまたビューローのときにも伝えていきたいと思います。よろしくお願いします。

【澤野委員】  7番に書いてあります要件書(TOR)の案がこれから出てくるということですか。

【立川主査】  これから出てくるところで、まだまだです。これから出てくるということです。

【澤野委員】  それから、全く知らないのですが、IHP-WINSのサーバーはどこにあるのでしょうか。

【立川主査】  これは多分IHPのパリにあるのだと思います。

【澤野委員】  パリにサーバー、そこに世界の情報を集めるということでしょうか。

【立川主査】  集めたいということのようです。

 それで、これに関連してビューローのときも少し議論になったように記憶しているのですが、SDGsのデータを集めてそれに対していろいろな評価をしていこうとなっています。それとこのWINSがどのようにリンクするかが少し見えない状況です。ただ、そのように使っていくと、都合はいいではあろうとは思いますが、それについては少しまだ見えない状況と私は理解しています。

 では、それではビューローの、この中にもありましたが、特に水分野、水防災分野におけるSDGsへの対応状況について、国交省で様々な活動をしてくださっておりますので、松木委員から御紹介を頂きたいと思います。よろしくお願いします。

【松木委員】  よろしくお願いいたします。

 国交省としてもこのSDGsに関与してきたわけですが、国交証の観点とすると、水問題の中に日本及びアジアで非常に重大問題となっています災害関連の取扱がなかったと。これは過去にはなかったということで、それが動議付けとなりまして、国際的な活動を始めていきました。タイトルとしては、今日の資料は「水防災の主流化」ということで書いております。「防災の主流化」という意味で、世界で使われておりましたが、うちの関係ではあえて「水」をつけて話をさせていただきます。

 1ページ目は挿絵です。これは洪水、堤防が切れた後の復旧作業の図です。これも最後に関係してきますので、後にとっておきたいと思います。

 2ページ目を開けていただきます。今日はこの4つについてお話させていただきます。水防災の主流化に向けたこれまでの国際的展開です。それから、2015年に策定されましたSDGsそのものです。それから、その後2015年以降に今どのような議論が国際社会で行われているか、国交省が関与しているところについて御紹介いたします。最後に、そういう議論を通じて今年、それから来年以降日本から発信するべきだと考えているメッセージについてお話させていただきます。

 最初に2ページの中ですが、洪水のところだけ赤文字を入れさせてもらっています。我々国交省は、御存じのとおり、洪水対策、それから水資源開発・管理についてやっております。それがなぜ大事か、逆に言うと、なぜ国交省のような組織があるのかということについて考えるときに、洪水というのは自然災害であるとともに人災害でもある。それから、予測可能である。それから、歴史的な観点になりますが、発生の頻度が10年、20年に1回、30年に1回、要は1人の人間が生きている間に何回か起こるということで、いろいろな経験を次世代につなげていくというタイプの水問題、災害問題、それが地震や事故と明らかに違うところです。これがあるから、それをマネジメントする行政が日本では必要とされ、江戸時代、明治時代、昭和を通じて、今となっては国土交通省の水管理国土保全局のような形になって残っていると考えております。

 そのような背景を持つ我々ですが、世界に出て行ったときに最初、3ページ目に移ります。世界水フォーラムということで、水問題が国際的に議論されるようになったときに参加したわけです。我々が一番大事だと思っている観点が欠けているという印象を持って帰ってまいりました。その後2003年、京都に世界水フォーラムを誘致し、そこから水防災関係の話題を国際的に発信していくことを努めてまいりました。

 以後、いろいろな形で活動しております。国連水と衛生に関する諮問委員会、UNSGABというものについては、橋本龍太郎元総理が初代の議長として参画されました。その後、アジア・太平洋水サミット、それから水と災害の有識者・指導者会議、いろいろな形で活動を始め、これらはそれぞれ今継続しているところです。その中で、1つ縦串のように見せておりますが、「水と災害」特別会合を国連で、単発会合ではありますが、2年に1回定期的に開催するようになっております。今年は7月に第3回を開催したところであります。

 このように活動を始めて少しずつではありますが、水問題に災害対策を必ず考えることはやや定着しつつあるかと思っております。もう一押しといいますか、水と災害の国際議論を定例的に行うと、しかも国連を舞台に定例的に行うと、そういうことを制度化するところまでもう一息頑張りたいと思っております。

 4ページに進みますと、水と衛生に関する諮問委員会、これが起きたことが大変我々も国連を舞台にするにあたって有意義でありました。元々はアナン国連事務総長の要請によりまして、初代議長に橋本元総理が就任した、そこから平成15年までの活動でした。これはミレニアム開発目標達成のための諮問委員会ですので、2015年とお尻が切れていたわけです。いろいろな提言をさせてもらっています。そして、これを日本政府として環境省、外務省さんとともに支えてまいりました。

 一番下のところですが、2015年に最終会合を開きまして、「The UNSGAB Journey」という報告書を提出しています。ここで水関連のリスクに対する予防的取組や国連の変革、特に水マネジメントの分野の強化、それから国家元首によるパネル、政治的指導者に議論に参画してもらうこと、このような提言を行ってUNSGABは終了したわけです。現時点は概ねこのUNSGABの提言に従って、この後3年間は時間が今流れようとしているところです。

 その成果の幾つかが次のページです。国連防災世界会議、これが仙台で2015年に開催されました。「仙台フレームワーク」ということで、各国共通の目標となっているところです。ここに予防防災や防災問題への投資など、日本とすれば普通にやっているつもりのものを国際的な議論に乗せたところです。

 そして、6ページになります。1番から17番までSDGsが策定されました。7ページ目ですが、これはウォーターSDGsと言われますが、水に関する1つのゴールが立っております。この中にも統合水管理などもあるのですが、8ページを見ていただきます。水防災関連直接関係するターゲットが幾つか盛り込まれております。SDGsの1番につきましては、災害に対するエクスポージャーやバラナラビリティを軽減する。それから、11番につきましては、都市防災になりますが、経済損失を大幅に減らす。13番につきましては、気候変動関係でこれからレジリエンス及び適応能力を強化する。このような防災に関する目標が盛り込まれた、これが我々のやってきた活動が国際的な共通目標として盛り込まれたということで、一定の成果があったと考えております。

 そして、その後9ページにまいります。今動いていまして、国連周りで一番目立った活動がこの水のハイレベルパネルというものです。これはSDGsを受けて、直後から準備が始まって2016年と17年の2年間活動ということで始められております。これは11人の国家元首、国のトップが集まって議論するところがポイントです。もう1つのポイントは、これまで国連中心で議論されていたものに、世界銀行が共同提案者として入ってきているということです。これは各国、特に途上国に対しては大変大きな意味を持ちまして、世界銀行が水問題について、彼らにとっては貸付の対象として重視している、それをダイレクトに表現したものです。それもありまして、途上国についても世界銀行との関連も十分に考慮していると思います。水問題を重視する発言がいろいろな場面でよく出てくるようになっております。このハイレベルパネルの存在感だと思います。

 10ページは、そのハイレベルパネルのアクションプランが昨年9月に公表されています。これは軽やかに書いてあるのが5つの花びらという言い方をしています。いろいろなほかのものもありながら、この5つが至急取り組まないといけない活動の中に赤丸をしていますのが、Disaster Reduction、これが国際的な活動の中で主要項目、主要な柱として立ったというきっかけになった意味でも、水のハイレベルパネルは画期的だったかと思います。

 その後、11、12ページ補足します。11ページには「ブタペスト水サミット」、昨年11月に行われました。ここも10の柱が立っているものの1つが、Climate and disastersということで、主要議題の1つとして認知されているところかと思います。もう1つ、12ページにつきましては、つい先々月、7月20日に行われました国連での「水と災害に関する特別会合」、ここにつきましてもこの国際会議はあるのですが、ここに各国のまさにトップの方が参加されることで大変な盛り上がりを見せております。具体的にはハンガリー、モーリシャスの大統領、それからミャンマーの水問題を担当する副大統領が参加されております。日本とすれば自民党の幹事長、それから国交省も参加しております。また、殿下のビデオ講演もこのときに行われましたので、付言させていただきます。

 このように、2000年以来続けてきた活動が大分盛り上がりを見せているというところです。では、これから議論の舞台が整ったとすると、国交省及び日本とすれば何を水問題で訴えていかないといけないか。特に、欧米の議論に欠けているものとして、アジアから何を訴えていかないといけないかということで書き出してみたものが以降のページです。

 具体的には水防災対策なのですが、13ページは世界の一般常識になっているもの、「仙台防災枠組」を図化したものです。これのことをあえて「Disaster Management Cycle」、あえてといいますか、昔から使っている言葉です。Disaster Management Cycleということで書いております。災害が起きたらどのようなことをしないといけない、復旧しないといけない、再建しないといけない、また災害の前に準備しないといけない。これは今や世界の常識といいますか、いろいろな国が「仙台」の名前を引き合いにしてお話してくれるようになっています。

 ただ、このサイクルは現実的には存在しないと。このサイクルは回らないことを、我々は日本での現場経験から気がついております。そこのところを発信していかないと思って書き直したのが、14ページです。これは「Disaster Risk Reduction Cycle」とあえて書いています。「Disaster Management Cycle」と違う言葉であえて書いています。これも大きな輪は一緒です。大災害の後応急措置があり、再建があり、復旧、復興があるのですが、特に大災害を10年に1度、もっと頻度は低いのですが、仮に10年に1度のイベントだとすると、この赤の線に乗るサイクルというのは10年に1回しか来ないことになります。片や、青のサイクルです。これは災害のリスクはあっても、大災害には至らないというケース、これが青の線で、これは10年に9回、10年に10回このサイクルは回る必要がある。

 ということは、水関係の防災といいますか、水供給も含めて、行政体制、それから予算、人員などを検討する場合は、この青のサイクルを基準に毎年毎年仕事が回るようなことを考え、赤のサイクルについては異常事態で、これはバックアップが入ると頭を切り替えないと持続的な活動ができない。特に、これから防災行政を構築していこうとしているアジアの国については、この赤を考えて、組織を作ったとしてもどうせ長続きしないです。というところで、これは日本の行政の形を絵にしてみた気持ちもあるのですが、途上国の方々に是非これを意識していただきたい。

 ここでやや問題になるのが、大災害が起きると人道的な見え方もありますし、経済的な見え方もありますけれども、非常に問題が顕著になって数字でものが語られるようになります。この青のサイクルの場合リスクがあって、例えば洪水期が去った後、点検が実際どうだったか、来年は大丈夫か点検した場合、それがどのくらい危険なのかという評価が簡単には難しい、客観的な評価は難しいところがあります。このようなところを何らかの基準を作って、マニュアルを作ってやるというのもありますし、データベースで見えにくいリスクを可能な形にして評価する。そのような、ある意味科学的な判断を加える場として、点検と書いていますが、こういうところが大変難しいものが現時点ではあります。こういうところが解決されていければ、この青のサイクルは回しやすくなるのではないかと思います。

 これはものの考え方ですが、15ページにまいります。これがSDGs、持続可能な開発目標ですが、それをGDPで見ていきます。GDPが時間の経過とともに上昇するような施策を打っていくにしても、災害の多い地域、特にアジア地域ではひとたび災害があったときにGDPが落ち込みます。この落ち込みをいかに少なくするのかが先ほどの維持補修、それから修復です。主に青のサイクルのところで書いていたルーティンのところ、ここをしっかりとしておくことが、この落ち込み幅を小さくするという効果があります。ここでは再建と書いていますが、再建は大事ですがそれよりも維持補修の方が大事ではあるまいか。もちろん、両方大事ですが、維持補修の方を重視するべきだということを申し上げています。

 この維持補修を誰がやるのかを考え直したものが、16ページです。これは下に三角形があります。地方政府ということで書いています。これは地方政府だけではなくて、そこに住む住民の方、それから今は企業なども入ると思います。それから、行政よりももっと小さな単位、水防活動を行うような単位というイメージで、コミュニティ/NGOと書いております。これは三者三様それぞれの目的がありますが、ローカルにおいて日本ではこの三者が役割分担しながら、小さな災害についてはこの三角形の中で処理している。将来への備えについても、この三角形の中で頭と手を使って対応している。俗に私はこれが公助、共助、自助の元の形だと申し上げています。これで1つ、地方で運営できる形があります。

 それでも大災害というのは、地方のレベルでは技術的、財政的に対応能力を超える場合があります。その場合については、中央政府がバックアップをする。現在の途上国のことを考えると、そこに更にドナーがお手伝いをすることがあると思います。ドナーのことはさておき、この中央政府がバックアップをするようになったのが、明治以降の日本の防災体制でより強化された体制です。かつ、地方政府以下のローカルの体制が、昔ありました各住民、水防団体、それから江戸時代の用語で言うと、郡奉行の出先の方々です。そのようなことをイメージいたしまして、最初の冒頭のページには、破堤現場復旧作業のところの挿絵を入れております。それぞれの住民の方、それから請負の方、真ん中右にこれは恐らく庄屋さんといいますか、庄屋さんは右の方にいるのですが、真ん中にはお奉行さんといいますか、という方がおられてここの三角形でやってきたと。それを説明するためにこのトップの挿絵を置いているわけです。

 トップの挿絵のことはさておき、最後の3枚で説明いたしましたのは、これはこの3枚を絵にしたのは私どもです。2015年の仙台のときに、首相が日本の防災協力イニシアティブということで発表したもの、それを分かりやすいように図化したものです。私はこれを日本の、特に防災ですが、水防災分野での国際協力のものの考え方の基本と申し上げております。

 以上でございます。ありがとうございました。

【立川主査】  どうもありがとうございます。特に、水防災分野の世界各国の協力で、SDGsに多分そこだけではない形で御説明を頂いたと思います。これについて、どなたか御意見、あるいは御質問等ございますか。

 お願いします。

【辻村委員】  ありがとうございました。非常に興味深く伺いました。特に、水問題に関して、防災や災害の観点を入れることの重要性をきちんと主張していって、それが実現してきたことは重いと思われます。

 特に、今、松木さんのお話にあったような内容でもそうですし、恐らく水災害が起きてしまうのは、水資源そのものの観点からすれば、本来資源として使おうと思っていた、あるいはポテンシャル的には使えるはずだったものが使えない状態になるということで、水資源のロスにもつながると思われます。

 その災害対策をすることは、裏返しては水資源のきちんとした保全にもつながる観点からすると、この14枚目のスライドの絵を拝見しまして、ブルーの維持補修の部分のサイクルは、これはもちろん防災観点からすると維持補修です。これ自体が水源涵養そのものを行っているという点にもつながっていて、我が国で行けば、恐らく国交省さんは維持補修の観点からやっておられるでしょうし、そういったことを他省庁さん、農水省、林野庁の方であれば水源涵養の観点からやっておられます。そういったことが省庁横断的にこのサイクルがつながっていて、防災だけではなくて水源涵養、水資源の保全という観点からも使えていることも主張できるのではないかと思いました。

 15ページ目でのスライドは、GDPは上がっていってそれがという、そういう観点もあります。水資源や水源涵養からすれば、それ自体がもう少しポジティブにこの維持管理が防ぐという観点と関与がエンカレッジされるというか、プロモートされる観点からもこの辺の図は見てとれるでしょう。更に言うならば、そういったことに関して補修だけではなくて、そういったことの啓発活動や人材育成といった他の分野にもつながっていきます。恐らくパーツ、パーツでは我が国では推進している国なので、特に東南アジアや途上国へのプロモートという意味では、そういった点も更に主張すれば、日本のプレゼンス向上にもつながると思い、伺って勉強になりました。ありがとうございました。

【松木委員】  ありがとうございます。

【立川主査】  ありがとうございます。

 黒田委員、お願いします。

【黒田委員】  大変きれいにまとめていただいて、ありがとうございました。今もあったこの水色のサイクル、ここで結局ICHARMの中、人材育成もやっているのかと思って、こういうことをできる人を育てることもどこかでやっていかないといけないと思っています。そういう意味では、ICHARMを教えていただいているときに、途上国から、いろいろなところから人を育てていることも、日本で1つ訴えられるいいポイントなのかと思って伺っておりました。

 1つ、ICSUは御存じだと思います。インターナショナル・カウンセル・フォー・サイエンス、その中にIRDRというプロジェクトが走っています。ディザスター・アンド・リスク・リダクションですか。北京に本部が置かれていますよね。活動の中で、IRDRとの関係はあるのでしょうか。

【松木委員】  率直に申しまして、今のところほとんど関与していないです。

【黒田委員】  そうですか。とてももったいない。あそこも科学者といろいろな行政とがやっているし、特に衛星を上げたりなどいろいろなところでIGFA(地球変動問題出資機関)などいろいろなところが、例えばメコンデルタの上で雨が非常に降ると下で洪水になるからフォアキャストでなく、ナウキャストをやるなどIGFAの活動などこういう水に関していろいろな国際的な活動があると思います。何かばらばらでなくて、一緒にやれたらと。そこにイニシアティブが取れればもっといいし、というようなことを思いましたので、感想ですが述べさせていただきました。

【立川主査】  どうもありがとうございます。今の黒田委員の質問と関連しまして、今の国交省の水局の方で、定期的に国際的な場での協力といいますか、毎年必ずこれには出て行って何かしているか、その辺りを少し教えていただけませんか。

【松木委員】  我々は、国連中心に各国のリーダーが耳を傾けるのが1つのポイントだと思っていますので、活動のメインの舞台は国連だと思っています。その意味では、今日紹介させていただいた水と災害特別会合、これは今のところ2年に1回やっています。これが隔年ではありますが、これからも続けていきたいと思っています。

 これの準備の形で流れ図の中だけで端折ったのですが、水と災害の有識者指導者会議を今やっております。これはUNSGABのメンバーであったハン・スンスさんが議長を務めてやっておられます。これを今、年に2回開催しまして、コアメンバーもいますが特に途上国の新しいメンバーを呼んでこの議論への理解、それから積極的な参画を促すようにしています。特別会合にミャンマーの副大統領に来ていただいたのも、その活動の中から出てきたものです。そういう意味では、主戦場は国連ですが、その準備では年2回ペースで世界への働きかけをやっています。

【立川主査】  どうもありがとうございます。ほか、いかがでしょうか。

 春山委員、お願いします。

【春山委員】  先ほどの黒田先生の御発言がありましたが、日本ではIRDRは日本学術会議の中にIRDRの分科会を設置してそこがサポートしています。それで今は日本からは林春男先生というかつては京大におられたと思いますが、今は防災研に移られましたね。北京のIRDRの事務局の事務局長として一時ラジブ・ショウさん、彼も京都大学から出て行って、でも途中でやめてしまったのですが、そういうお付き合いはあります。

 それとともに、仙台会議の前夜辺りから、学術会議それ自身が関わりを持って国際会議、東京会議をやって、仙台枠組のときにも学術会議関連で1回会議をやって、今後今年は11月25、26、27だったか、乃木坂で3日間学術会議の中でリジリアンスに関わる国際会議を行う予定でおります。

 多分松木委員の上司にあたった天野さんのところまでは今までずっとその会議に出てきていただいていたので、話は通じていると私は理解をしています。そのようなことをやっています。

【立川主査】  ありがとうございます。

【春山委員】  もう1つ私、その話とは別にこのサイクルの図はよく使われているので見ます。国交省で行う場合に災害のリダクションというと、ものを作ってものを補修していくことが中心になると理解はしています。例えば先ほど出てきたミャンマーであれ、東南アジアの国であれ、カンボジアであれ、ラオスであれ、そういったところは日本とは全く違った防災の概念、防災の概念はないかもしれないです。そういった国とお付き合いしたり、彼らの災害リスクをリダクションするときには、どのような考え方を持つべきなのかはかねがね気になっているところです。

【立川主査】  松木委員、お願いします。

【松木委員】  私は天野の活動を引き継いでおりまして、ラジブさんの名前も、林先生も、それから学術会議が担当している、そこは承知しておりまして、その議論には参画しております。国交省としての直接的な関係は、先ほど申し上げたように直接北京とのやり取りはやってはいないです。

 それから、アジアでの観点につきまして、このDisaster Risk Reduction Cycleの図も、これは実はベトナムでの活動の中から出てまいりました。私は2年前までJICA専門家ということで、ベトナム政府に入っておりました。向こうでいかに防災力を上げていくかということで、この概念の絵はありますがどうやっていいのか分からないというところ。

 そこで、私どもはインフラ関係のものはベトナムでもゼロではありません。排水ポンプにしてもそうですし、小さいながらも堤防があってもそうですけれども、そういうものは放っておけば質が悪くなるので、その質を維持するように最低限のことをやりましょう、それが彼らはしないです。大災害の後の復旧予算を待っていると、日頃の身銭を使う活動をしないところがありまして、それはファイナンシャル・モラルハザードへ陥っているという指摘をさせていただきました。それでこの絵をあえて描いたところでもあります。

 いざというときに、大きなお金や人員や技術のニーズがあって、それは自分たちで持っていないからバックアップを頼むと、それはもう堂々と計画の中に盛り込みましょうと。その代わりルーティンでできること、これは私はインフラの維持管理を引き合いに説明しますが、先ほどの人材育成もそうですし、それから、リスクアセスメントの活動もそうだと思います。自分たちでできることは毎年必ず回す、その部分は約束しましょうということで、要求と約束を1つの活動計画として、ローカル・ガバメントでまとめましょうという活動をしておりました。これは日本の、私の場合は国交省の地方事務所にいましたし、それから日本の都道府県の頭の使い方、それをイメージしながらベトナムの地方省に合わせていくにはどういう表現をしたらいいのか。そのようなことを考えながら作っております。

 何にしても最終ページのローカルの三角形、これが自立的に活動を継続するための最低限、そのローカルの人によって、ローカルのバジェットでないとできないものを書き出してブルーサイクルを書きましょうと。このブルーサイクルから発達、発展させたものの考え方です。ということで、アジアでインフラの比率は大変低いと思います。考え方とすれば同じこと、同じ考え方を使うのが持続的な防災活動になると思っています。

【立川主査】  どうもありがとうございます。

 ICHARMの方でも、非常に現地に入って現地でのいろいろな洪水対策、渇水対策について、そこで本当に自立的に回っていくような支援も相当やっておられますよね。その辺りでICHARMとまた国交省ともやり取りがあるのでしょうか。その辺り、何か双方的にやっておられることなのか。

【澤野委員】  また後で詳しいことを御紹介したいと思いますが、我々は現地でいろいろなプロジェクトを行っています。その際に、国交省の国連での活動、それから二国間での各々の活動、そういうものとつなげながら、さらにJICA専門家が国交省から現地に派遣されておりますが、そのような現地で活躍している人たちとの連携を重視しながら進めているところでございます。

【立川主査】  ありがとうございます。ほか、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。

 今、松木委員から、水防災分野のSDGsへの取組について御紹介を頂きました。ですので、この中の御説明にもありましたが、目標の6だけではなくて、ほかに関連するような1番、11番、13番ですか。この辺りにも特に水防災で関連しているところは積極的に貢献していこうということであったと思います。そういう理解でよろしいでしょうか。

【松木委員】  はい。

【立川主査】  どうもありがとうございます。それでは、松木委員からの御紹介は以上といたしたいと思います。どうもありがとうございました。

 IHPの、これは関係することで少し、もう1つありますのが、この赤い表紙の「IHPのガバナンス」ということで、先ほど申し上げるのを忘れておりましたが、IHPのIntergovernmental Council、これは、現在の理事国として日本、2013年に選出されておりまして、2017年までになりますが、今回10月に改選になります。今、中国、インドネシア、日本、韓国の4か国がアジアからの選出されている理事国になりますけれども、この中でまた4か国が改選になりますので、それだけ少し情報提供しておきたいと思います。日本も手を挙げていますので、是非選出されたいとは思っているところです。 それでは、議題の2に移りたいと思います。今までが議題1のIHPビューローに関係するところでした。次は、議題2の第25回IHP-RSCへの対応についての議題に移したいと思います。

 RSCというのは、今年第25回を迎えます。RSCの設立趣旨としましては、このアジアの中でなかなか意見を交換する場面がなかったものですから、毎年1回それぞれアジア、東アジア、東南アジアを主として、これらの国々のそれぞれのIHPのメンバー国の代表の方に集まっていただいて意見交換をして、時々こういう政府間理事会にもリージョンとしての意見を求められることもありますので、そこで意見統一を図ってというようなことを趣旨としてやってまいりました。

 このRegional Steering Committeeですが、IHPの地域レベルの取組としましては、このジャカルタ事務所がセクレタリーをやってくれています。今このIHPのセクレタリーで、特にこの担当としてやってくれるのはハン・スンスさんで、去年もモンゴルに来てくれた彼が今、このジャカルタ事務所でIHPの方も担当するようになって、今、この次のマニラでの会合に向けて、今、ハンさんとやり取りをずっと密にしているところです。このIHPの中では、特に包括的な水資源管理ということでIWRMと呼ばれるIntegrated Water resources Management、これに関する技術支援とか能力開発等をやっていて、先ほど最初に紹介をいたしました名古屋大学と京都大学でやっておりますトレーニングコースのこの一環としてずっとやってきたことになります。

 その下にRegional steering Committee for Southeast Asia and the Pacificがあります。これが東南アジア太平洋地域の運営委員会です。これが今年25年目で、毎年開催で、基本的には11月の第3週を開催時期としております。この10年、この間、東南アジアで一緒にやれるようなことを一緒にやったりしてきました。特に河川カタログというのをずっと作ってまいりまして、この中の委員の方々にもこのカタログに関する情報提供をお願いしたこともあるかと思いますが、これがずっとやってまいりまして、大体第6巻までできていて、100河川以上、アジアの河川のいろいろな情報が入っているようなカタログです。これはRSCのホームページで全文をこの資料を見られるような形になっています。

 今、この後で少し御意見を頂ければと思いますが、河川カタログの活動をずっとやってまいりまして、少し新しい方向に目を向けたようなアクティビティをやりたいと思っていて、ここ、昨年、2回、2年前、このRSCで日本からの提案として、Catalogue of Hydrologic Analysis、CHAと我々は略しておりますが、こういうものを提案しております。後で少しどういうことを提案しているかということを簡単に御説明いたしまして、御意見を頂ければと思っています。

 それから、このRSCの最後のポツにあるのですが、特に最近MABとの活動のシナジーを図るということが非常に重視されておりまして、これはこのRSCだけではなくてユネスコ全体と思ったらよろしいでしょうか。MABとIHP、あるいはMAB、IHP、IOCといった、その分野でのシナジーをできるだけ図っていくことが望まれることでありまして、昨年のモンゴルでは、特にこのMABとの共同、共同とまではいきませんけれども、セッションの中にこのMABのセッションも設けて、たしかあれはマレーシアのMABの方に来ていただきまして、そこで情報交換をしたりいたしました。水文の中でも特に環境分野の先生方は、このMABとも非常に関連の深いことを専門分野としておられる先生方もいらっしゃいますので、こういうような状況になっていることです。

 RSCのメンバー国は、現在役職はフィリピンの方が、今、タビオスさんが議長をしておりまして、私が今ここ4年、5年ぐらいになりますかね、この事務局長といいましょうか、事務的なことをジャカルタ事務所と一緒に協力しながらやっているというところです。RSCのメンバー国は17か国あります。東アジア、それから東南アジア、太平洋諸国の国々が主となっております。そこに主な開催予定国が書いてありますが、今年はフィリピンで、来年は中国の予定です。まだ場所等は詳しくは決まっておりませんが、昨年のRSCのときに中国が手を挙げて、是非開催したい方ですので、来年は中国の予定です。2019年は分かりませんが、ミャンマー、マレーシア、ベトナム等が手を挙げておりましたので、今年の11月のときに2年先の開催国を決めることになろうかと思います。

 それから、議長が今回改選になります。2年任期でずっとやっておりまして、次、どういう国になるかはまだ決まっておりませんが、大体おおむねローテーションで回っておりまして、次、また新しい国の方に議長をお願いすることになろうかと思います。

 あと1つだけ、これに関連して、25年たちましたので、ずっとこのメンバーでやってきたのですが、少し領域を広げてはどうかというような意見もあります。イランより東側になるかと思いますが、最近は、例えばICHARMでパキスタンの洪水プロジェクトも非常な成功を収めておりまして、あと、イランにもICHARMで長くおられた方がイランのカテゴリー2センターもやっておられますので、筑波の辻村先生もいろいろ渇水に関する、あれは。

【辻村委員】  G-WADI。

【立川主査】  G-WADIですかね、というようなプロジェクトもイランでやっておられますので、そういうところの方々もこれまでオブザーバーとしてRSCに入ってきたりはあるのですが、正式なメンバーではありませんでしたが、そこらについても少し今検討をしているところです。

 少しお時間を頂いたのは、新しい今までの東アジア、東南アジア以外の国々の方々もメンバーになりたいというような御意向もあるやに伺っているのですが、それについて何か先生方、あるいは委員の皆様方、何か御意見はありますか。特によろしいでしょうかね。

 少しこのRSCの中について説明をさせていただきたいと思います。資料4を御覧ください。資料4は英文で6ページありますので、詳しくは申し上げませんが、おおむね大体1日ないし1日半でこのRSCの会議をやっております。昨年はこの10月24日から26日、ウランバートル、モンゴルでした。これは例年11月にやることが多いのでですが、11月は、モンゴルは寒過ぎて問題があるということで、1か月早まってこの時期になりました。

 現地見学も地下水を管理するところに連れていってくださいまして、非常に勉強になった会議でした。特にMABと連携したようなセッションが設けられたというのがこのとき少し新しかったことではないかと思います。

 それから、この中で特に、2ページ目のところにあるのですが、議題の昨年の10番のところになるのですが、Post-Catalogue of Rivers、Updatesというところで、新しい企画を出しております。この企画は、特に我が国からは、きょうは御欠席ですが、岡山大学の近森委員、それから、この国内委員会の委員ではありませんが、神戸大学の小林健一郎准教授を中心として新しい提案をしているところです。ここにありますCatalogue of Hydrologic Analysisというものです。これについて、また今年、今回も昨年出てきた意見を基に幾つか提案をしようと思っております。これについて簡単に説明しますので、委員の皆様から少し御意見を頂ければありがたいと思います。

 資料5を御覧ください。これはCatalogue of Hydrologic Analysisというもので、CHAと略して言っておりますが、まずどうしてこういうようなことを提案するに至っているのかということを簡単に御説明したいと思います。

 この提案の前にずっと長らくCatalogue of Riversというものを作ってまいりました。中身がどういうものかといいますと、アジアの様々な河川について何とか川と言われても我々はほとんど知識を持っていません。また、日本の荒川とか利根川というものも、利根川ってこんなところでこんな災害が起こりましたということを東南アジアの方々にお話ししても、一体では利根川、荒川はどんな川かということは、ほとんど東南アジアの方々は知識がありません。ですので、そういう川に関する基本的な情報を盛り込んだような情報を、例えばどれぐらいの流域面積があるのかとか、あるいは簡単な地形の情報、あるいは年の降水量とか、そういったような情報と、あとその地域はどのような人口構成になっているとか、あるいは産業はどうであるかとか、そのような河川に関する大体大まかな情報を取りまとめたようなカタログをずっと作ってまいりました。毎年RSCが開催されるときに各国から1河川、2河川、それぞれの国で選んでカタログを、フォーマットがしっかり決められていますので、そのフォーマットに従って河川の内容を作成して、それを提出してもらって、それを予算のあるときは本にして作るというようなことをずっとやってまいりました。それでボリューム6まででき、河川も100河川以上になりまして、日本の主要な河川もおおむねほぼ収録できているような感じです。

 各国の主要な河川もおおむね収録できましたので、大体河川カタログとしては十分情報が集まったのではないかと。そのときにいろいろ意見が出てきましたのは、今度はその集まった情報をできれば用いていろいろな分析をするような方向に進みたいと。例えば、降水量のデータが集まっているのだったら、その各国でその降水量をいろいろ処理して、例えば200年に一遍、あるいは100年に一遍起きるような雨というのはこんな大きさですよというようなことは世界各国でやっているのですが、ではそれはアジアの東南アジアの国々でどんなやり方をしているかとか、そのようなことを互いにもう少しデータとツールを共有しましょうという意見が結構出てまいりました。これはカタログを作った後の必然的な流れかなと思います。それで、ここ数年、そういう水文のアナリシス、分析に関するようなカタログというのを集積できないかというような議論を進めてまいりました。

 ただ、その中でいろいろ議論がありましたのが、単にそのソフトウェアを集めるだけなのかとか、あるいは、各国も、日本は、日本だけではないですね、日本、韓国、フィリピン等は主として大学の教員がそのRSCの場に参加しているのですが、ほかの国は必ずしもそうではありません。例えば、モンゴル、あるいはベトナム、ミャンマー等は気象局、水文気象局の方とか、あるいはマレーシアもDIEの方とか、タイだと水資源、水局、何ですかね、省庁の方ですね。

【松木委員】  RIDですか。

【立川主査】  いや、RIDではなくて、水資源局ってありますか。

【澤野委員】  ありますね。水資源局が15年前ぐらいにRIDとは別にできました。

【立川主査】  ええ、RIDの方もいらっしゃるのですけれども、主な方はRIDの方ではなくて、政府の方がいらっしゃいます。

【澤野委員】  結構RIDからの人は多いと思います。

【立川主査】  RIDもたくさん来ていますね。その政府の方々からの意見でもあると思うのですが、必ずしもそのツールを集めるとかというものですと、国によってはなかなか貢献が難しいと。また、どちらかといえば大学の教育機関にいる人たちが代表で行っているところは、そういうツールを提供したりとかいろいろな例題を出すというようなことは比較的容易で、なおかつそういうことが共有できると良いなと思っていたのですが、その各国のいろいろな立場があって、必ずしもそれでまとまれるわけでもなくて、それでいろいろな意見が出てまいりまして、その結果として、いろいろな分析ツールを紹介するだけではなくて、その分析ツールを使ってどのような良いことがあったかというような経験をドキュメントにして集積できると良いのではないかというような意見が出てきました。

 具体的に申し上げますと、この資料5にありますが、例えば内容として、水災害、特に予警報、それからハザードマップ、それから、水資源としては渇水対策とか地下水の利用、それから、エコ水文学としては水質とか環境保全、こういうのはIHP8と関連するようなテーマをまず選びます。このようなテーマについて具体的にいろいろなツールを用いて、どのようなアウトプットが出てきているのか、これは実際にどのように利用されているのかというようなことをあるフォーマットを基に作っていってはどうか。編集体制としてはRSCのメンバーとCHA担当というのを置いて、テーマに応じて2人程度ボランティアを募って、合計5名ぐらいで編集体制を作ってずっと回していけないかなというのを提案しようと思っています。基本的には全ての国に依頼すると。

 具体例をお示ししてあります。次を1つめくっていただきまして、例えば、水災害について経験を何か集積したものを考えるという場合に、例えば、Flood warning in the Yodo River basin、これはあくまでも1つの例ですけれども、淀川流域の例えば洪水予測。では、どういうような内容でドキュメントを作るかというと、例えばどういう流域ですか、例えば淀川流域の概要。河川カタログはほぼ大体主要河川は網羅していますので、できればそういう河川カタログの引用が望ましい。むしろ河川カタログに載っているような河川での経験を書いてもらうのが良いのではないか。

 それから、2番目としましてその制度、対象流域の洪水予警報というのはどういうような制度、あるいは法的な枠組みはどうなっているのか、そういうようなことが書かれると良いでしょう。では、具体的に予測する、淀川流域の流量予測、あるいは降雨予測といったことは、どのような技術に基づいて行われているのかというような技術的な紹介。それから、できればそういうことの予測を実現しているような理論とか基礎式、それから、一般的に出回っているような解析ツールが用いられているのだったらそのツール。例えば、日本では、ICHARM、あるいは京大の佐山准教授が開発されたRRI(降雨流出氾濫モデル)というのはかなりアジアでも使われていますので、例えばこのRRIを使ってやっていますよというようなことを書いて。

 4番目としてこの事例、グッド・プラクティス、こういうような事例、こういうような解析を用いるとこのような予測ができて、このような良いことになっていますよというようなことを文書化してまとめてリファレンスを入れる。そういうようなことをグッド・プラクティスのカタログというようなことがまとめられないかと思っています。

 これは水災害の洪水とか氾濫の予測ですけれども、あと、大事なのはハザードマッピングというのも結構大事なことなので、例えば次のページですと、ハザードマッピングについて同じような何とか川というのを対象にして、例えば日本だったらハザードマップは当たり前のように作られていますけれども、ではインドネシアの河川がどうかとか、あるいは各国の、ベトナムの河川はどうかというようなことが、もしもやられているのだったらこういうところに出してもらって情報を共有できないか。

 あと、水資源としましては渇水対策、あるいは地下水というようなことでこういうようなドキュメントが準備できないかというようなことを考えまして、こういうことは、これは去年の議論を基にこのような提案をしてはどうかな。こういうことを提案する前に、なかなか多くの方々にこういう情報を共有して御意見を頂く場がないものですから、きょうはせっかくこういう場ですので、少し10分程度でも何か委員の皆様からこういうような内容を入れた方が良いのではないかとか、あるいは注意すべき点等がもしありましたら忌憚のないところでいろいろ御指摘いただければ大変ありがたいです。その意見を基にまたこのRSCに持っていって、できればこれを固めて早目にこういうことをスタートして、アジアのRSCのプロダクトとしてずっと長く10年ぐらいやっていきたいなと考えているところです。

 ざっと御説明いたしましたが、もしも御意見を頂けるようでしたらありがたいです。どこからでも構いません。いかがでしょうか。

 辻村委員、お願いします。

【辻村委員】  ありがとうございます。非常におもしろいプロポーザルだと思って伺いました。特に、またカタログの内容で実例を出していただいていて、これ自体も非常におもしろいところがあると思いました。こういう比較的枠組みや技術的な提供というのももちろん大事ですし、一方で、特に途上国、これは国によって状況はいろいろ違うとはいえ、こういったデータに比較的携わる現業のエンジニアとかテクニシャンのレベルを鑑みると、例えば河川の流量の時間変化データそのものを取っていながら、どのように見て、どのように解釈したら良いかというとても基礎的なところがまだ能力として不足しているようなところがあるように思われます。ですから、その河川の流量あるいは推移の変動そのもののデータであればどこの国でもありますから、比較的典型的な例を挙げて、こういうような波形が出たときはどういうことが言えるというような基礎的な情報を織り込んでも十分に役に立つ、そのツールや比較的高度なものでなくても、そういった面もあるのかなと思いました。

 あと、そのグッド・プラクティスももちろん重要で、ただバッド・プラクティスというのはなかなか出てこないかもしれませんけれども、失敗事例も拾っていった方が、カタログとしては幅が出て役に立つように思われました。

 以上です。

【立川主査】  ありがとうございます。今、水文観測が抜けていますね。

【辻村委員】  はい、何かその辺が。

【立川主査】  確かに。

【辻村委員】  その辺がむしろシンプルにあった方が。

【立川主査】  なるほど。

【辻村委員】  基礎的なデータはどこの国でも大体今はもう出ていますので、という感じがいたしました。

【立川主査】  ありがとうございます。水文観測もこの中に、少し提案の中に入れたいと思います。失敗事例は大事だと思うのですけれども、きっと余り出したくない。

【辻村委員】  余り出てこないかもしれないですね。

【立川主査】  ただ、あれば。

【辻村委員】  そうですね。

【立川主査】  出しづらいですね。

 澤野委員、お願いします。

【澤野委員】  ツールの紹介になりますと、各国で、特に途上国の場合だと、その政府が決めているというよりは、ある程度例えばドナーによって、若しくはドナーが雇うコンサルタントによって決まってくる場合があります。河川によってツールが変わる場合があるし、同じ河川でもドナーが変わると変わってしまう場合があります。これはインドネシアでも経験したことですけれども、一つのツールを代表とするのはなかなか難しい場合があるのではないかと思います。

 それから、先ほど大学ではなくて政府機関の場合だとなかなか難しいというのは、例えば、ミャンマーではDepartment of Meteorology and Hydrologyが洪水予報をやっているのですけれども、担当者の出身が、ヤンゴン大学の物理と数学で、役所に入ってから水文に携わっていく。反対に土木があるヤンゴン工科大学はそれらに直接余り関わっていない。大学でやっていることと政府でやっていることとの関係というのはいろいろなので、検討する部分というのはありそうだなと感じました。

【立川主査】  なるほど、分かりました。

【澤野委員】  もう1つは、先ほどのデータの話で、ミャンマーで経験したのは、データのレベルに応じてやり方も変化していくので、データが乏しい場合にはこういうやり方、もっとあったらこういうやり方という、そういう道筋を示すというのも1つ大事ではないかと。最終的には日本でやっていることを目指すとしても、いきなり日本の話をすると、それは日本だからできるという話になってしまうので、ステップ・バイ・ステップで、それに応じたツールというのも重要なのではないかと感じました。

【立川主査】  どうもありがとうございます。今、澤野委員から御指摘いただいたツールの話は、まさしく昨年のRSCでも同様な議論があって、必ずしもその国の開発されたツールではなくて、いろいろな状況がありますよね。そうすると少し難しいのではないかというようなことがあって、そんな議論が出ましたので、そのとおりだなと思います。それを基に、そのツールではなくて、ツールはどこでも良いからそのツールを使って分析されたという内容の方が良いのではないかというような方向に、少し方向を転換したというようなことが今、きょう御説明したことの1つでもあります。ありがとうございます。

 ほかはいかがでしょうか。お願いします。

【春山委員】  水文の観測、話が出たけれども、さらに言うと、気象予測って、リモセンでできる範囲と、そうではなくてオリジナルなデータがあった方が良いというようなこともあるとすると、ミャンマーやラオスなんてとても少ないのではないですか、気象の観測データそのものが、観測地点も含めて。

【澤野委員】  今一生懸命増やしている、それはまさにJICAの無償等でも観測所とかレーダーを入れているところですけれども、だんだんこれからという段階ですね。

【春山委員】  少ないですよね。だから日本と同じようにというのはなかなか良い問題なのだろうなと思いながら伺っていました。

【立川主査】  なるほど。

【春山委員】  逆に言うと、さらにその次にハザードマップを作るという場合に、国によっては、例えば、DEMみたいなものは、どこかから、例えばアメリカのどこかに入って持ってくるぐらいなことをしないと、オリジナルなデータのない国って、これもまた多いですよね。国土地理院が随分サポートをしたり、インドネシアもフィリピンも国土地理院はマッピングの技術なんかをJICAで支援をしていたというような話は聞いているし、ところによっては5万分1ぐらいのレベルの測量図なんかはできているというふうには理解はしていますが、それでも全県に当たってという話ではないのではないだろうかと思います。

【立川主査】  なるほど。

【春山委員】  ミャンマーの場合はどうでしょう。私は古いものしか知りませんけれども、新しくリニューアル、全てされたというふうには聞いてはいない。要するに、とてもまちまちな状況なのだと思いますね。そうすると、そこのところから得る、日本側から出せるようなハザードマップというのは、本当にいろいろな種類のものがあって、地形学からやる、またあるいは既往の災害がここでありましたというような、本当にいろいろなやり方のものがある、リスクマップを含めて。だけど、それをやろうと思うと、これもまた結構難関なものがあるので、ここでお示しをするのにどこまでやると向こうがそれに付随してくっついてこられるのか、エデュケーションのところに乗ってくるのかというのは、少し相手側を見てあげた方がその途上国に対して良いプラクティスになっていくのかなというふうには思います。

【立川主査】  どうもありがとうございます。今の、まさしく何かある特定の国だけに情報提供をするのだと、なかなか、何て言いましょうかね、皆さんが情報提供をし合うことが非常に良い協力関係を作っていくことになりますので、今、春山委員が御指摘になった、誰でもできるようなこと、そのレベルは問わないけれども誰でもできるようなことというところをテーマとして置いておかないと、本当に出せる人は出せるけれども、出せない人は出せないとかとなってしまうと、離れてしまいますので、その辺、本当に留意したいと思います。ありがとうございます。

 澤野委員、お願いします。

【澤野委員】  ミャンマーでは、まさにDEM(数値標高モデル)が大きな課題の1つで、我々が実施したADB(アジア開発銀行)のプロジェクトでは、無料でダウンロードできる衛星情報を利用しましたが、それだと精度に限りがある。より精度を高めるには購入しなければいけないし、本来は自国でそういうデータ、DEMをきちんと管理できるようにするべきであると。そこら辺は、恐らくこれからの日本の支援の重要なポイントになるのではないかと思います。今はそういう段階で、一方で、そのような精度の高いものがなければいけないことを、実際にプロジェクトのハザードマップを作る過程で説明する。例えば、山間地だったらある程度の誤差があってもそれほど影響しないが、ヤンゴンみたいな平地だと、10センチ、20センチの差でハザードの状況が違ってくる。そうすると、それだけ精度の高いものが必要になるということ、精度によって結果はどのように影響を受けるかということ、それらDEMのユーザーの視点と、DEMを管理する人間の視点をうまくマッチングさせていく必要性を感じているところです。

【立川主査】  どうもありがとうございます。どういうようなデータを使えるかというところはこれも大事ですよね。この辺のところを留意して、この提案を少し変えて持っていきたいと思います。特に水文観測は是非この中に入れて提案をしたいと思います。また、そのときにいっぱい意見が出てくると思いますので、それをまた少し委員の皆様方にメール等でフィードバックして、できるだけこれを早く固めてこのプロジェクトを動かしていきたいと思います。

 それでは、時間が迫っておりますので、次の話題に移りたいと思いますが、もしも御意見を頂けるようでしたらと思っておりますのは、参考資料の6を御覧ください。

 参考資料6に、これはパワーポイントのファイルなのですが、RSCの中で日本のIHP活動として何をやっていますかということを、大体3分程度で説明しなくてはいけないものですから、本当にこれは概要版なのですが、委員の皆様方に少し御意見を頂きたいのは、この後ろの方、6ページ目から、英文でかなり長くずうっと書いております。12ページぐらい書いておりまして、これは、このNATIONAL REPORT ON IHP RELATED ACTIVITIESということで、2年に1回、政府間理事会の前に、これはIHP、この委員の皆様方にお送りしてアップデートをお願いしますというふうにお願いしてまとめては新しくして持っていっているものです。これは、政府間理事会の前と、それからRSCの前と、アップデートを大体お願いしていますので、大体1年に1回ずっとアップデートして、アップデートしたものを、アップデートしっぱなしではなくてホームページにも置いているものです。

 これはこれで非常に記録として良いのですが、大分分量も多くなってきているので、少し簡潔にしても良いのではないかなと個人的に思っているところです。これはIHPのフォーマットとしても、1枚目に委員の構成があって、2枚目以降は、IHP8のアクティビティに沿って、それぞれの委員の方々がこのIHP8に従ってどういうようなアクティビティをされていますかということで、それぞれの科研費であったり、あるいはそれぞれの様々なプロジェクト等をずっと網羅的に書いていただいております。この一部には、後ろの方にICHARMの活動も載っていることなのですが、こういうのをもう少し、IHPの活動オリジナルというのはなかなか難しいですよね。IHPで専門、それとして活動しているとなりますと、例えば、トレーニングコースとか、RSCというのは日本だけにとどまりませんが、その2つは大事な活動としてあって、それ以外にICHARMの活動ということになりますが、ICHARMの活動と、またIHPの分科会とは直接はまた違うことになりますので、そういうことを網羅的に全部ここに取り込んでいるようなものです。

 ですので、少しこれは簡潔な書き方ができないかなと思っておりまして、もしこの場で、短時間ですが、委員の皆様方から少し御意見を頂けるようでしたらありがたいのですが、いかがでしょうか。これは大体直前にメールで、大変失礼ながら短時間のうちに修正を下さいということでお願いして、だからほとんどが委員の先生方は非常に短時間でいつもお答えを頂いているところなのですが。植松委員のところで、それぞれの活動でこういうようなアクティビティというのはまとめておられますか。

【植松委員】  はい。

【立川主査】  似たようなフォーマットになりますか。これは大分何か分厚くなってきて、もう少し簡潔にできないかなと、それぞれのIOCとかそれぞれのところでどういうふうにやっておられるかも知りたいなと思って。

【植松委員】  そうですね。

【立川主査】  似たような感じなのでしょうか。特にこの後ろの英文の方が大分、これはここの委員の皆様にお願いして、それぞれのIHPに関連するような活動を1行程度で全部入れて、全部網羅的に書いているのですが。少し誰がこの資料を見るかということに立ち返ってもう一度考えて、それに対して必要な情報を盛り込むと考えれば良いのかなとも思ったりもしております。では、この辺、メールでも構いませんし、もしも何かアイデアがありましたらお伝えいただければありがたいです。私も考えて事務局の方々とも相談します。RSCはこのままになってしまうかもしれませんが、次の政府間理事会ぐらいは、少し考えてフォーマットの改善を考えたいなと思っています。特にこの場で何か御意見を頂くことはございますか。よろしいでしょうか。

 どうもありがとうございます。問題意識として持っているということをお伝えさせていただきました。

 それでは、時間もあと30分程度しかございませんので、次、去年の11月末から12月にかけて、名古屋大学で第26回のトレーニングコースをしていただきましたので、檜山委員から資料も作成していただいておりますので、資料6を使って簡単に御説明いただけますか。お願いします。

【檜山委員】  かしこまりました。資料6を御覧ください。

 これは、昨年度行いました第26回IHPトレーニングコースの報告になります。実際にコンビナーを務めたのは、名古屋大学宇宙地球環境研究所の副所長の石坂でございまして、石坂の報告文を借りてまいりました。

 このトレーニングコースは、1991年から我が国では行っておりまして、昨年でちょうど26回目でした。今回のタイトルは、「Coastal Vulnerability and Freshwater Discharge」ということで、日本語では「沿岸の脆弱性と淡水供給」というタイトルで行いました。11月の27日から12月の10日、いつも2週間ということで、昨年度も2週間かけてみっちりとトレーニングコースを行ったことになります。

 資金源としては、ユネスコ日本政府信託基金による事業資金、そして、宇宙地球環境研究所の所長リーダーシップ経費などです。実は信託基金ではかなり少ないということで、所長リーダーシップ経費とか、そのほか日本海洋学会などの資金、京都大学の防災研究所の資金、合計6つの資金を使わせていただいて支援を受けました。

 参加者に関しては、今回は、誠に残念ながらユネスコジャカルタ事務所からの研修生が1人もおりませんでした。ということで、独自に名古屋大学の方で5名、あとは資金を提供していただいた北太平洋海洋科学機構と宇宙地球環境研究所の方で5名、京都大学の防災研究所で5名、あとは、名古屋大学の環境学研究科の在籍している学生7名、合計22名の研修生で行いました。

 いろいろな先生方に御講義、演習をしていただきましたが、合計12名の先生方に来ていただきました。特に、今回は海洋と陸、水文の接点ということで、沿岸域に重点を置きましたので、半分は海洋学の先生方に御講演いただき、そして演習もしていただいたことになります。毎年のように行っていますが、今回も研修で、2日間にわたって、三重大学の練習船、勢水丸をお借りしまして、伊勢湾・三河湾の観測も行いました。陸水と海洋、沿岸ですね、それとインタラクションを学ぶ良い機会になったということになります。

 特に演習では、これは講義を聞くだけにはトレーニングになりませんので、先ほども上がっていましたツールという観点でいろいろな解析ツールを研修生に教えるというような試みを複数行いました。

 以上です。

【立川主査】  どうもありがとうございます。これはなかなか準備するのも大変で、特に予算上も非常に厳しい中、本当にどうもありがとうございました。

 資料7は、今年の第27回のIHPトレーニングコースです。これは、今年は京都大学の防災研究所の田中茂信教授がコンビナーを引き受けてくださっています。12月4日から約2週間、こちらの方も講義、座学もありますが、室内演習、フィールド実習、模型実験、現地見学等も取り入れております。これは、2週間の集中講義で、通常の2単位以上の内容を盛り込んでおりますので、これは京都大学の中ですが、工学研究科の中の集中講義として、この京大の学生は正式に2単位取れるような形になっています。このようなことを企画しております。今はまだこれから、今もアナウンスしている最中ですので、最終的に何人参加するのかはまだ決まっておりませんが、できるだけ多くの学生に参加してほしいなと思います。かなりこれは準備も含めて相当かなりの労力でやっておりますので、できればこの名古屋でも京都からもたくさん参加していただきましたように、少しこの参加者を国内だけでも広げていくというのも非常に良いことかもしれませんね。これは、今年のトレーニングコースについてでございます。

 それから、資料8として、これに関連して、日本政府からユネスコへ拠出している信託基金、JFITの実施状況について、これはトレーニングコースにも関連することでもありますので、資料を用意してくださっていますので、事務局の方から説明をお願いできますでしょうか。

【小林国際戦略企画官】  それでは、資料8を基に御説明させていただきます。

 JFITによって実施されているIHP関連事業で、JFITはJapanese Funds-in-Trustsということで日本政府が拠出している信託基金でございまして、ここに御紹介しているのは、ユネスコのジャカルタ事務所に拠出している信託基金によって実施されている事業です。

 そこに3つ掲げてございますが、1つ目のFostering UNESCO Water and Environment Networksというのは、水分野やMAB、ジオパークといった環境ネットワークを通じた政策提言及びキャパシティディベロップメントということで、中身としては、先ほども主査からも御説明がありましたIHPトレーニングコースであるとか、IHP-RSCの開催、それから、RSCのモンゴルでの会合の開催というようなものでございまして、これは今年度で終了するものでございます。

 その後継が2番目のIHP-WISERということで、CHA(Catalogue of Hydrologic Analysis)であるとか、水教育のカリキュラム開発、IHPトレーニングコース、それからRSCの開催、こういったものに対して拠出しております。

 3番目にございますのは、アジア太平洋地域におけるe-learning形式のオンラインコースの提供というものでございます。

 この中で特に御説明すべき点として、1番目の事業の下の方に、2016年から2017年の活動として挙げられている2つ目のFostering Collaboration between UNESCO in the field and Networks towards the 2030 Agendaの開催があります。これは2016年7月にインドネシアのバリで実施された会議でございまして、ASPAC(アジア・太平洋地域)におけるユネスコ科学事業を通じたSDGsへの対応について、MAB計画であるとか、ジオパーク、こういったユネスコの科学事業のいろいろなステークホルダーの方々が一堂に会し、議論を行いまして、そのときにIHPについては、当時の三宅本分科会委員に御出席いただいて紹介していただいたということでございます。

 先ほど主査からもございましたとおり、ユネスコの科学事業間の連携について、ユネスコ全体として推進しようということで、このユネスコジャカルタ事務所での科学事業についても、今まで分野別にMABであればMAB、ジオパークであればジオパークということで別々に行われていた会議に別の分野の専門家を招聘して、それぞれの事業間の連携の在り方について検討を進めておるところでございまして、まさにFosteringというこの会議もこの一環でございますし、また、昨年のRSC会合でも、先ほども紹介がありましたけれども、MABあるいはジオパーク関係者も参加して、それぞれの事業紹介が行われたというふうに承知しております。こういった連携の動きは今後とも想定されますため、このIHPの分科会の先生の皆様にこういった会議に御出席してIHPについて紹介いただくという機会もあると思われますので、可能な範囲で御協力をお願いできればと考えております。

 以上でございます。

【立川主査】  どうもありがとうございます。これに関連して、檜山委員にもお願いしたりもいたしましたが、ジャカルタ事務所からの連絡が非常に短くて、なかなか対応が難しくて、参加することができなかったのですが、私も含めて。事務所にはもう少し早く連絡してくれれば何らかの貢献はできるということは伝えておるところです。今御説明いただきましたように、こういうような動きになっておりますので、また委員の皆様方にお願いすることが出てくるかと思いますので、その際は是非よろしくお願いしたいと思います。どうもありがとうございました。

 植松委員。

【植松委員】  短めに。今までのトレーニングコースの、大変な御努力だと思います。毎年毎年京都と名古屋でされているということだったのですが、石坂さんがされているトレーニングコースというのは、IOCとも非常に関わることもありますし、IHPだけというよりもIOCと連携してやるというのも良いのではないかなと、海にどうしても関係するようなことだと思います。それでもう1つは、このIHPのトレーニングコース、アジア・太平洋地域だとこれをやっているのは日本だけなのでしょうか。

【立川主査】  日本だけですかね。

【植松委員】  と申しますのは、IOCでは、今Regional Training and Research Center(RTRC)というのがあって、既に中国とインドネシアはそういうRTRCというのが立ち上がっていますが、今5か国ぐらいが立ち上がることになっています。日本も今までもそういう経験はあるのですが、新たにトレーニングコースを今年一応実施しようということになっています。なかなか資金源が大変だということで、皆さんと同じ問題を共有することになるのですが。そういう意味では、途上国で自分たちでもやるとか、その問題意識を高めるという意味で、日本が全部リーディングする形よりも、もう一つ先を考えても良いのではないかなとは思います。

【立川主査】  なるほど。

【植松委員】  是非そういう連携もほかのところとということで。

【立川主査】  どうもありがとうございます。確かにそうですね。どちらかというと名古屋大学主導でずっとやってくださっていて。

【檜山委員】  そうですね。

【立川主査】  海外で、時々マレーシアとかインドネシアとかでやっておられますかね。

【檜山委員】  10年に1度の頻度で総括をしてきましたが、現地でトレーニングコースを開設するような動きにはなっていないので、植松委員のおっしゃったように、今後は現地でやれるような形に持っていくのも1つかもしれないです。

【立川主査】  そうですね。

【植松委員】  IOCの場合、以前は日本から専門家が行って、そこでトレーニングコースとかワークショップとかをやっていたのですが、今はもう向こうの国が自発的にそういうものをセッティングして人を呼ぶというような形になっているので、長い目で見れば当然そういう形になっていけば良いのではないかなというふうには思っております。

【立川主査】  その方が、運営もそうだとすると非常に良いですよね。どうもありがとうございます。

 それでは、残り時間は15分程度ですが、議題3、報告事項に移りたいと思います。まず最近のICHARMの活動内容について、澤野委員から報告をお願いします。

【澤野委員】  時間も限られていますので、お手元にパワーポイントのスライドの資料と、それからパンフレットをお配りしております。ICHARMの活動については、昨年、三宅の方からも御報告しましたが、最近の活動を中心に御紹介したいと思います。

 スライドのパワーポイントの資料の方でございますが、2ページ目、ICHARMの活動については当初から3本の柱、ICHARMは2006年3月に設立されてから昨年10周年を迎え、新たな段階に入っているところでございますけれども、基本的にはこの3本の柱というものを、以前と同様、中心に据えながら活動を行っているところでございます。

 その1本目、革新的な研究、これがスライドの3からになります。洪水解析システムIFASやRRI Model等を開発し、それらを普及させていく。これらを使えば比較的データが乏しいところでも、衛星情報等を活用しながら解析ができるということで、特に途上国での適用を進めています。最近は日本でも中山間地、ここも実はデータや情報が乏しいので、そういうところでの適用も図っているところでございます。スライドの3の右下の方に書いてございますが、最近の災害、岩手県小本川でありますとか、そのようなところでの適用を図っております。

 それから、スライドの4ですけれども、これは文科省の創生プログラムで、スライド5にありますように、アジアの5流域で気候変動による影響評価を行っております。これは、降水量、水文量の変化だけでなく、さらにその変化によってどう被害が変わるのかについてで、スライド6にございますが、稲作の被害の評価につなげています。この稲作での被害の評価は、先ほどのスライド4の左下に示されている、小さくて恐縮ですけれども、農業被害関数、フィリピンでのデータを基に作成した関数を用いまして、湛水による浸水深と浸水時間によってどのくらいの被害が生じるか、それを実際の被害とも比較しながら現在と将来の比較に活用しています。インドネシア等でもこの関数を適用していますが、フィリピンのデータが元となっていますけれども、割と合っているというような結果が得られています。ただ、最終的には各国各々のデータでこのような被害関数を作り、現在と将来の比較をしていくことを推奨しつつ活動を行ってまいりました。

 スライド7は、これはフィリピンでの活動ですけれども、RRI Modelを使って、詳細なハザードマップを作り、コミュニティレベルでの防災活動に活用していただくことをパイロット的に行うべく、カルンピットという都市で活動を進めたところでございます。このような活動を今後フィリピンで横展開していくため、国レベルでのプラットフォーム作りについて後で御紹介しますけれども、そこでの見本となる活動を行いました。

 それから、スライドの8、これはRRI Modelを活用して日本でも、特に中山間地のような情報の乏しい地域で、どこで急激に水位が上がるか、どのようなところが危険になるか、そのような情報をより簡易に素早く提供できるようなシステムの開発を行っているところでございます。

 スライド9ページからは情報ネットワークということで、IFIの活動を御紹介いたします。International Flood Initiative(国際洪水イニシアティブ)、これは2002年頃から議論をIHPの場で行い、2005年の兵庫の国連防災会議のときに発足しました。国連の関係機関が途上国等での水防災に関する取り組みを支援する枠組みということで、近年の活動としましては、スライド10にございますように、各国のいろいろなプレイヤーに対して国連機関がそれぞれの専門性を生かして支援していく、そのような活動につなげているところでございます。ICHARMは、このIFIの活動の事務局としての役割を果たしております。

 その1つの具体例として、スライドの11にございますけれども、各国で関係組織が横連携を図れるようなプラットフォームを作る。図が非常に小さくて恐縮ですけれども、スリランカ、フィリピン、パキスタン、ミャンマー等でそのようなプラットフォーム作りの支援をしており、我々はいわばファシリテーターという役割を担っているところです。国によって政府の組織の役割は違いますので、それぞれの国の政府組織、役割に合ったような形でのプラットフォームを作り、そこで横連携を図り、水災害に関する議論をしていく枠組み作りの支援をする。ここの中では、アカデミア、大学がサポーターになり、技術的な支援を行う、さらにそれらを国連機関がサポートする。それぞれの国では災害に関する公式なナショナルコミッティ等があるのですが、それらは法律に基づくもので、外国機関が入るようなものではない。このプラットフォームはそういうところも取り込みながら、皆で議論できる場としていくということで、この活動を今展開しているところでございます。

 この活動での目的の一つとして、防災活動につなげるためには、まずリスクのアセスメントが必要である。そのアセスメントにむけ、データを収集していく。そのような活動をまず当面のターゲットに置いているところでございます。

 各国の防災当局の活動では、これまで、例えば救援物資を配布するというのがメインだったのですけれども、仙台での国際会議等を踏まえて、今後減災についてターゲットを決めて実現していかなければいけない。そのために、災害のリスクをどうやって減らすか。先ほど松木さんの方からも話がありましたけれども、そういう活動につなげるためには、防災当局だけではなく、いろいろなセクター、アカデミアを含めた連携が必要ということで、この活動を展開しているところでございます。

 スライド12、3本柱の最後ですが、効果的な能力育成ということで、ICHARMで博士課程、修士課程、それから短期研修、これは継続して取組んでいるところでございます。さらに、それぞれの国で卒業生を集めてのフォローアップ活動をしております。

 スライドの13、14は、現場での実践活動です。1つはパキスタンの活動、これは今Phase2に入っております。Phase1の活動の成果を生かして、さらにエリアの拡大、それから融雪機構モジュールの開発などの活動を展開しているところです。

 最後のスライド14は、ミャンマーでの活動で、昨年11月に終了しました。報告書はADBのウエブサイトに掲載しておりますけれども、基本は、ここに示すようなハザードマップ作りを通じて、ミャンマーの防災に関わる人員、組織の能力育成を目指した活動をしたところでございます。

 簡単ではございますが、最近の活動ということで紹介させていただきました。

【立川主査】  どうもありがとうございました。ICHARMは本当に活動、アクティビティが非常に高くて、本当に模範的なカテゴリー2センターとして世界的に非常に賞賛を浴びているところであります。本当にありがたいと思います。これからもよろしくお願いします。

 では、次、資料10ですが、これも報告ですが、今、筑波大学がモンゴルとユネスコ・チェアを活動しておられます。これは、カテゴリー2センター、それからチェア。チェアはどちらかというと既存の教育機関を基にユネスコのミッションをお手伝いしていくというような位置付けだと思いますが、これで、この中で、京都大学の方で、Kyoto UNESCO Chair、通称WENDIという名前で、Water,Energy and Disaster Managementというものをこの3月末に提案をいたしまして、ほぼ内定、採択されるというような内定の連絡がありました。ですので、このような内容で来年の4月以降に正式に設立されましたら活動していく予定でありますので、また御協力をお願いすることがあるかと思いますが、まずはこういうような動きがあるということだけ御報告を申し上げたいと思います。これはKUC-WENDIという名前をつけております。

 これまでの、もう時間が余りなくて本当に簡単な御報告だけになりましたが、何か御意見はございますか。

 では、議題4のその他ですが、これまでの議題以外に委員の皆様、関係省庁あるいは事務局から特に御報告、御審議すべきような案件はございますでしょうか。

 1つだけ、ロゴについて。これは檜山委員から御指摘いただいたようなことで、IHP国内委員会のロゴを作っていただきました。今、これにつきまして、どのような活動についてこのロゴを使っても良いかということを、きちんと内規を定めて余り混乱がないようにしようということを事務局でもお考えいただいております。これについて何か事務局からございますか。よろしいですか。今の段階はそういうような状況ということですね。ロゴ自身はユネスコの本体でもきちんと認められて、使える状況になっていますので、これからはロゴのことについて余り混乱はないと思いますが、そのような状況です。特によろしいでしょうか。

 非常に駆け足で、2時間でやるには議題が多過ぎて、中身が十分消化できないぐらい話題がありましたが、これぐらい、こうやって話題を共有する場を持ってくださって本当によかったかなと思います。来年以降もこういった形で、おおむね大体8月お盆明け以降から9月まで、トレーニングコースとか、あるいはRSCの前に会合を持ちたいと思います。これと併せて来年の6月の政府間理事会の前にはまた会合を持つことになるとは思いますが、そういうような形で進めてまいりたいと思います。
 では、これ以上特にないということでしたら、もう時間ですので閉会をしたいと思います。本日は御多忙の中、御出席くださいまして誠にありがとうございました。

国際統括官付


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