村田製作所、スペースマーケット、オムロン、大広が語る「BtoB企業のコミュニケーションの課題と解決」 – AdverTimes(アドタイ)

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BtoB企業は市場の変化によって、既存顧客との関係性だけでなく、これまで強い結びつきを持たなかった新規顧客や株主、採用においては学生に対しても、自社の事業について理解してもらう必要が出てきている。

こうした背景から見直されているのが、BtoB企業における顧客以外のステークホルダーに対するコミュニケーションだ。少数の担当者で行われるBtoB企業のコミュニケーションは、BtoC企業の広報に比べて担当者の属人的なスキルの差が顕著に成果としてあらわれる。

それでは、BtoB企業担当者はどのようなコミュニケーションをとるべきなのか。そのヒントを提供すべく、2017年10月11日、大阪・堂島で「BtoB企業のコミュニケーションの課題と解決」と題したセミナーが開催された。

村田製作所の「デジタルマーケティングを使って成果を出した採用活動」

セミナーは、村田製作所マーケティング&コミュニケーション部長・内海克也氏による講演「デジタルを活用したリクルートにおけるコミュニケーション」で幕を明けた。

冒頭で内海氏は、企業が認知される場合は「企業認知」と「活動認知」の2種類に分かれると説明。「企業認知」とは、企業名を知られていること。一方で
「活動認知」とは、どのような事業を行っている企業なのかを知られていることだ。

「BtoBのビジネスや採用活動において、いくら企業認知を獲得しても活動認知が得られなければ取引や就活生の応募・入社決定には至らない。活動認知を獲得するためには、デジタルマーケティング手法を活用する必要があるのではないかと思った当社では、BtoBビジネス領域と並行して新卒採用活動でデジタルマーケティングを試行することにした」と内海氏は話す。

村田製作所 マーケティング&コミュニケーション部長・内海 克也 氏

村田製作所では、新卒採用活動において、自社の採用戦略に沿った人材の採用を増やすこと、内々定後の辞退を減らすことが課題となっていた。

「こういった課題があることを前提に採用データを見た結果、①そもそもターゲット学生のエントリー数が少ない、②エントリー後にエントリーシート(以降「ES」と表記)を提出しないターゲット学生が多い、③ES提出後にWeb試験を受験しない学生がいる、④内々定後に辞退する学生がいる といった4つの問題が判明した。このうち、①と②に関しては膨大な人数へのアプローチが必要なため、デジタルマーケティングで解決かできると考えた。」

そこで、新卒採用サイトへの流入数を増やすためにWeb広告を出稿。エントリー数やES提出者を増やすために、新卒採用サイトのリニューアルを行い、MAツールを使った施策を始めることにしたという。

内海氏が特に効果があったと語るのは、新卒採用サイトのリニューアルだ。「学生に合わせたデザインと情報の刷新」というコンセプトの元、サイトリニューアルを行った。就活生がどのタイミングでどういった情報を欲しがっているのかを把握し、足りない情報をコンテンツ化していくことを目指した。そのために、人事の採用担当者や就職活動の記憶が新しい若手社員を集め、学生の行動モデルについてのワークショップを実施して、ユーザージャーニーモデルを作成したという。

スマホ対応ページの作成やSEO対策に加えて、MAツールを使ったコンテンツの出し分けも実施。サイトに訪れた就活生が事務系か技術系かに応じてそれぞれのキャリアパスのページへ遷移させたり、ES未提出の学生にはトップページでES提出促進のバナーを出したりするなど、一人ひとりの学生に合ったコンテンツが提供できるようなサイト設計を行った。こうした取り組みの結果、リニューアル後は来訪者数・PVともに約7割も増加し、サイト回遊時間も長くなるなどの好成果を生んだ。

その他には、メールも有効に活用した。

「ターゲットである分野を専攻されている学生さんに対しては、『こういった分野であなたに活躍してほしい』などのメッセージを添えたスカウトメールを配信した。また、ES提出日が迫った際にはリマインドメールも配信して改めて提出を促した。」

こうした工夫の結果、ターゲット学生のうちスカウトメールを送った学生のES提出率の割合は、未配信の学生に比べて6.8%増。また。ES促進メールを送った直後にESの提出がぐんと増えたことから、リマインドの効果があることもわかったという。

最終的には、エントリー数11%増加、ES提出数が61%増加という好成果を生んだ。取り組みを振り返って、内海氏は「応募者が増えたため、人事の対応工数も増えている。今後はESやWEBテストのデータ、あるいは面接記録を解析して、 合格・不合格者や辞退者の傾向を把握し、選考に活用していきたい。」と展望を語った。

成長著しいスペースマーケットが実践する「スタートアップの営業術」

第2部は、スペースマーケット代表取締役の重松大輔氏が「新規スタートアップ企業の対法人のアプローチ方法」のテーマで登壇した。

スペースマーケットは、スペースを簡単に貸し借りするプラットフォームを運営している。友達や家族とスペースを借りて忘年会やパーティーをしたい人と、空いているスペースを有効活用したいオーナーをアプリ上でマッチングさせるものだ。

貸しているスペースは、平日の結婚式場や映画館、お寺や古民家、廃校などさまざま。最近ではインスタグラムの流行により、写真撮影を行うためにスペースを借りる女性グループもいる。また、子供がいても気兼ねなく遊べるキッチン付スペースやBBQスペースなどは、家族連れに人気を博している。スペースを求める人と使ってほしい企業・自治体のマッチングを通じて、遊休資産を活用しつつシェアリングエコノミーを実現しているという。

スペースマーケットは設立4年目。現在は社員も40名ほどになり順調に成長を続けている。この短期間でどうやって認知を広げたのかという問いに対して、重松氏はこのように答える。

「スタートアップが急成長するためには大手企業と提携することが大事だが、その中でも事業責任者などの決裁権者やトップと関係性を築くことが重要である。知名度の無い段階でも、他企業から信頼される実績をつくっていくためにあえて有名な企業から交渉していった」。

こうした指針の元で営業活動を重ねた結果、スペースマーケットはサービスを開始した段階から、有名なスペースを含む100カ所以上のスペースを取り扱うことに成功し、信頼を集めた。

大手企業との交渉を成功するためのポイントとして重松氏は、「業界関連ニュースを徹底的にウォッチして、その企業にとって現在何が課題であるか仮説を立てて提案を行った。たとえば、映画館であれば平日の午前中には余っているスクリーンルームがあるはずだし、結婚式場も平日は式が少なく空いているはず。一方で自治体に対して営業活動を行う際は、『私たちが遊休資産を活用する役割を担います』といったスタンスで話をした。あとは、泥臭く感じられるかもしれないが、担当者の方に対して手紙を書いたり、共通の趣味などを見つけて旧友のように話したりするなど、関係性を作ることはもちろん重要」と語る。

スペースマーケット 代表取締役の重松 大輔 氏

また、重松氏が強調していたのは「小さく生んで大きく育てる」ことの重要性だ。
大手企業と提携するときは、最初は少額でも口座を開くことによって、その企業との取引実績が生まれ、他部署と契約する際にも安心されるという。

さらに、提携相手の見つけ方に関しては、効率良くキーマンにアプローチできる交流会や展示会はもちろん、Webメディアに取り上げてもらいやすい勉強会やセミナーの主催、ピッチイベントでの登壇が有効だと重松氏はいう。広告に予算を多くかけられないスタートアップにとっては、最初から派手な露出を狙うのではなく、まずはWebメディアで話題になることを目指し、そこから紙媒体やイベント、テレビの取材に繋げていくべきだと語った。



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