商工中金 完全民営化で出直し図れ – 西日本新聞

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 組織ぐるみの不正が発覚した商工組合中央金庫(商工中金)の在り方を検討していた経済産業省の有識者会議が提言をまとめた。

 今後4年を経営改革期間と定め、その間に独り立ちできるビジネスモデルの構築を促して完全民営化の可否を判断するという。

 不正の温床となった危機対応融資は大災害時などに限定し、民間金融機関が慎重になりがちな比較的リスクの高い事業への融資に注力し、中小企業の再生や事業承継を支援すべきだとした。また経営の監視・監督のため、第三者委員会の設置や、取締役の過半数を外部から招くよう提言している。

 「半官半民の株式会社」「役割は民業補完」という現状ではビジネスモデル自体に無理がある。経産省は4年後の完全民営化を揺るがぬ前提として提言に向き合い、商工中金も不退転の決意で業務と組織の改革に踏み出すべきだ。

 政府が株式の約46%を保有する商工中金の不正はずさんのひと言に尽きる。本来は災害や金融危機などで経営難に陥った中小企業に低利で融資する国の危機対応融資を悪用し、融資目標達成のため、健全な企業の財務書類も改ざんして融資実績を水増ししていた。地銀などからは「税金で金利を低くし、客を奪っている」と民業圧迫批判の声も上がっていた。

 商工中金について、政府は2006年に「08年に株式会社化し、5~7年後に政府保有株式をすべて処分する」と決めていた。

 しかし、その後のリーマン・ショックや東日本大震災で完全民営化は無期延期になっていた。

 今後の課題は完全民営化に向けたビジネスモデルの確立だ。提言は、民間金融の融資が行き届いていない中小企業への担保などに頼らぬ融資や経営支援、事業再生で、適正な金利や手数料を得る経営への転換を求めている。高度なスキルを要し難易度も高いが、地域金融機関にない全国の店舗網を生かした事業承継や再生支援、販路拡大など独自の業務を開拓してほしい。地域活性化に資する金融機関として出直すべきだ。

=2018/01/13付 西日本新聞朝刊=




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