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再エネ設備に後付けで水素製造システム 水素ビジネス参入を狙った実証

大林組(東京都港区)は9月7日、同社の技術研究所(東京都清瀬市)において、既存の再生可能エネルギー発電設備を活用して、新たにCO2フリー水素を製造する水素エネルギーシステムを構築し、製造・貯蔵・利用の各段階で実証を行うと発表した。

各設備の高い稼働率を実現し効率良く水素を製造するために、蓄電システムを併用して水電解装置へ電力を安定的に供給するシステムを構築する。この実証では、システム全体の最適化をめざして、水電解装置と蓄電池容量の最適な組み合わせや、各設備の制御手法などを検証する。

また、同システムは、再生可能エネルギー由来の電力を商用電力系統から切り離して水電解装置に供給するため、商用電力の停電時においても自立運転が可能だ。これを活かし、この実証では災害時のBCP(事業継続計画)対応についても検証する。

同システムは、2018年4月中の完成を予定。実証を通じて得られたノウハウの活用により、水素関連施設のEPC事業(関連施設の設計・調達・施工)だけでなく、すでに進めている再生可能エネルギー発電事業を活用した水素エネルギー供給事業への参画も視野に入れて水素関連事業を推進していく。

構築するシステムの仕組み

構築する水素エネルギーシステムは、技術研究所に設置済みの太陽光風力発電設備の一部の電力を用いて、水電解装置で水を水素と酸素に分解してCO2フリー水素を製造する。製造したCO2フリー水素は気体の状態でタンクに貯蔵し、電力需要に応じて純水素型燃料電池の稼働により酸素と反応させることで発電する。その電気は技術研究所内に供給する。

また、前述の通り、効率良く水素を製造するために、蓄電システムを併用する。再生可能エネルギーは天候などによって発電量が左右され、供給が不安定になる場合がある。水電解装置などの設備容量を再生可能エネルギー発電量のピーク時に合わせて計画した場合、夜間や雨天時などには再生可能エネルギー発電量の低下に伴い各設備の稼働率も低下してしまうという課題があった。蓄電システムの併用はその課題解決のため。

なお、本実証は、水素社会の実現に向けて取り組む東京都が、地産地消の低炭素な水素による環境負荷の低減をめざし実施している「事業所向け再生可能エネルギー由来水素活用設備導入促進事業」の助成を受けている。

電力貯蔵の点でも期待される水素

再生可能エネルギーにより水を電気分解する方法で製造される水素は、製造時のCO2排出を抑制できるため、「CO2フリー水素」と呼ばれている。

水素には、電力貯蔵の点で比較的安価に大容量化しやすいうえ、時間の経過とともに減少しにくいという性質があるため、大量かつ長期間にわたって電力を貯蔵する場合には蓄電池よりも優位であるとの研究結果がある。

2014年に経済産業省が発表した「水素・燃料電池戦略ロードマップ」では、将来の水素社会実現に向けた取り組みを加速し、CO2フリー水素について2040年頃に供給システムを確立するという目標が示されている。




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