欧州地銀のシステム事情、知っておきたい日本との相違点 – ITpro

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 システム共同化を進めているのは、何も日本の地方銀行に限った話ではない。欧州の地域金融機関も早くからシステムの共同利用に着手してきた。NTTデータ経営研究所の桑島八郎アソシエイトパートナーに、スイスとドイツの現状を聞いた。複数の共同化陣営が並立する日本と異なり、スイスやドイツではグループが集約され、システムも統一する方向に向かっている。桑島アソシエイトパートナーは、「(日本でも)勘定系パッケージの標準化が避けられない」と指摘する。


NTTデータ経営研究所 桑島 八郎 アソシエイトパートナー

 欧州の地方銀行は1970年代以降、競争のためにIT投資を急速に増やした。その結果、体力に劣る中堅行以下は自前で情報システムを運営するのが難しくなっていった。これは日本の地銀とも共通する傾向だ。

 スイスの地銀は比較的規模が小さいこともあり、早い段階で共同化のスキームが発達した。最初のきっかけは1993年の不動産危機だ。翌1994年、コスト最適化に迫られた地銀の半分近くが共同出資してRBAホールディングスを設立。同社の子会社であるエントリスは、地銀に幅広い共同化サービスを提供している。共同利用型のシステムにとどまらず、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)や商品開発まで請け負うのが特徴だ。

 コア・バンキングシステムには、スイスの金融ITサービス大手フィノーバのパッケージを採用している。

 ドイツでは州立銀行を含む貯蓄銀行でシステム共同化が進んできた。大きくは独フィドゥーシアの「agree」と独GADの「bank21」を採用する陣営に分かれていたが、2015年に両社が合併。パッケージを統一する運びになっている。

 スイスやドイツでは共同化グループが集約され、コア・バンキングのパッケージも統一の方向で進んでいる。EU(欧州連合)では銀行におけるオープンAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)の導入が義務化されることになっているが、対応もしやすいだろう。

 翻って日本の地銀は規模が比較的大きいこともあり、今は複数の共同化グループが並び立っている。

 ところが業界再編は、システム共同化のグループとは関係なく進むため、システム統合が発生することになる。これはコスト負担が大きい。

 すべての共同化グループで勘定系パッケージを統一するのは非現実的だが、標準化は避けられないと見ている。標準化できれば、経営統合に際しては口座データを移行するだけで済む。

 勘定系システムの標準化が進めば、システム統合の経営戦略的な意味合いは薄まる。今の共同化グループは、実質的に意味がなくなる方向に収れんしていくはずだ。

 その代わり、知恵の共同化が重要性を増してくる。共同化グループに地銀以外が参画する形があってもいい。そうでなければ、地銀は立ち行かなくなるだろう。(談)




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