PSA、オペル買収検討 GMは欧州撤退か – 日本経済新聞

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 【パリ=竹内康雄、ニューヨーク=中西豊紀】フランスの自動車大手グループPSA(旧プジョーシトロエングループ)は米ゼネラル・モーターズ(GM)の欧州子会社、独オペルを買収する検討に入った。実現すれば新車販売台数で約410万台になり、仏大手ルノーを抜き、欧州2位に浮上する。GMは欧州から事実上撤退することになる。

 PSAとGMは14日、「PSAによるオペルの潜在的な買収を含む様々な戦略的な取り組みを探っている」との声明をそれぞれ発表。AFP通信によると、オペルの英国ブランド「ボクソール」も買収対象に含まれる。

 PSAとGMは2012年2月に資本・業務提携で合意。GMがPSAに7%出資した。だが当時経営不振に陥っていたPSAは仏政府や中国・東風汽車集団の支援を仰ぐことを決断。GMとは資本提携をとりやめ、欧州での小型車開発など業務面での提携を続けてきた。

 14年には元ルノー最高執行責任者(COO)のカルロス・タバレス氏がPSAの最高経営責任者(CEO)に就任、再建を進め、業績も上向いていた。ただ16年の販売台数は315万台と、トヨタ自動車やフォルクスワーゲン(VW)、GMの「1000万台クラブ」に比べ見劣りする。ライバルのルノーが日産自動車三菱自動車との統合を進めるなか、PSAが生き残るには規模が足りないとの見方が多かった。

 タバレス氏は昨秋の日本経済新聞のインタビューで、M&A(合併・買収)などは「必須ではない」とする一方、「機会があればやってもよい」と答えていた。

 一方でGMが狙うのは経営資源の選択と集中だ。16年12月期通期のGMの欧州事業は2億5700万ドル(約291億円)の赤字。15年12月期の8億ドルの赤字からは改善したが、英国の欧州連合(EU)離脱決定に伴う経費3億ドルが影を落とす。7日の決算記者会見でチャック・スティーブンス最高財務責任者(CFO)は「離脱決定がなければ経営目標の赤字脱却を達成できていた」と述べた。

 GMは17年通期も欧州での脱赤字を掲げるが、そもそもブランド力が弱い同地域では劣勢を強いられてきた。15年末には「シボレー」事業から撤退し、オペルとボクソールに戦略特化してきたが16年の欧州販売(一部シボレー含む)は97万9000台で前年同期比5.4%増止まり。欧州市場の伸び率の6.8%を下回った。欧州市場の伸びに届かない傾向は近年続いている。

 17年通期もEU離脱決定で3億ドルの費用が予想される中、GMは事業の継続は合理性を欠くとの判断に傾いている。それよりも独フォルクスワーゲン(VW)と販売首位を競う中国での足場固めや、トランプ政権下で投資増が想定される米国に経営資源を集中したい考え。欧州事業の売却資金で自動運転など次世代の技術への投資を加速する狙いもありそうだ。




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