「コールセンターの新首都」と呼ばれる比では多くの人が深夜も米国などの顧客を相手に働いている – 日刊まにら新聞

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首都圏のオフィスで米国の顧客からの電話に対応する従業員ら(AFP=時事)

 コールセンターの「新首都」と呼ばれるフィリピン。米金融機関のコールセンターで働くマイリーン・カバロナさん(37)は午前2時ごろに首都圏タギッグ市のボニファシオ・グローバル・シティー(BGC)の自宅を出る。暗い夜道を15分ほど歩いて20階以上の高層ビルの職場に入ると、部屋には300人以上が業務に就いている。この半年は午前2時半から11時半まで、休憩の1時間を挟み8時間のシフトだ。

 コールセンターの仕事を始めたのは7年前。飲料メーカーの工場で契約労働をしていたが、家族を含めた医療保険などの福利厚生にひかれ、通信会社の顧客サービスに応募した。当時は最低賃金程度の月給しかなかったが、経験を積んで転職し、今の月給は600ドル(約3万ペソ)ほどだ。現在は決済などの窓口業務を電話で代行している。

 ▽顧客対応は忍耐強く

 米国やオーストラリアなどを中心に顧客対応を行うコールセンターなどビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)産業は比国内で120万人以上を雇用、年間200億ドル以上を売り上げる。BPO産業労働組合「ビエン」によると、看護師や教師が高い給与にひかれて日夜コールセンターで働いているという。

 カバロナさんは仕事について「緩衝吸収剤のようなもの」と語る。忍耐強く顧客をなだめ案内する仕事は楽ではなく、「黄色の猿」など人種差別発言でののしられることも珍しくない。飲酒や喫煙などで気を紛らわせていると語った。

 ルソン地方カビテ州から1月前に引っ越し、通勤は格段に楽になった。その一方で「いまは麻薬戦争もあるし、いつも不安な気持ちで通勤している」。将来は大学で専攻していた政治学を再び学びたいと夢を語る。

 ▽ノルマ理由の解雇も

 同じBGCで旅行代理店の顧客サービス業務に従事するレニー・デラトーレ(21)さんは、コールセンターの仕事を始めた理由を「学歴が要らなかったから」と語る。大学を卒業してないデラトーレさんにとって、接客業などと違い正確な英語さえ話せれば身長や性別にこだわらないコールセンターの仕事は魅力的に映った。英会話学校に半年通いアメリカ英語を身につけたという。

 シフトは午後6時から午前4時のこともあれば、午後4時から午前1時までのこともある。払い戻し不可の航空券の払い戻しを繰り返し求める一部の顧客などがいる一方で、平均通話時間は7分以内に抑えるよう指導され「仕事のストレスは多い」。

 それでも月給は最低賃金の倍近くある。「仕事を継続することで未来の成功を掴みたい」と決意を語る。

 ビエンのサラ・プレストーザ報道担当は「労働者はノルマに達さないなどの理由で突然解雇されることが多い」と問題点を語る。自身も5社を渡り歩いて労働者の権利の弱さを感じ、ビエンに参加したと語った。(森永亨、終わり)




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