バナナ・パパイアの国産化技術、広島の法人確立 – 読売新聞

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 広島県福山市内の一般財団法人が、バナナやパパイアなどの熱帯の果物を国内で生産できる技術を確立、輸入に頼っている作物の国産化を目指している。

 完全無農薬で栽培し、耕作放棄地などの有効活用も狙う。

 今年3月に設立された「ASCO(アスコ)」(福山市引野町南)。代表理事の田中節三さん(68)は、子供の頃からバナナが好きで、国内での栽培法を数十年にわたって研究。たどり着いたのは「凍結解凍覚醒法」だ。熱帯植物が氷河期の環境にも耐え、生き延びてきた事実を踏まえ、熱帯植物を氷河期環境に戻し、温帯地域で発芽、培養すれば順応するのではという発想だ。

 無菌室で天然の糖質「トレハロース」を含む特殊な培養液の中に、核となる細胞を浸し、破壊することなく氷点下60度までゆっくりと凍結。耐寒性などを“覚醒”させた後に、解凍させるという。この技術を用いて培養と育苗に成功。遺伝子情報の変異などもなかったという。

 アスコは「アグリカルチャー サービス カンパニー」の頭文字を取った。7月には岡山市の農業法人「D&Tファーム」と共同で、苗の培養施設「ASCO・D&Tバイオセンター」を開設。年間約40万本の苗の生産培養を目指している。

 また苗と培養土、肥料の基本セットを販売し、1ヘクタールの農地で1500本の苗を植える場合の初期投資や年間の光熱水費、人件費などを考慮したビジネスモデルの提案もしている。

 岡山では、D&Tファームが今年から、この技術で培養した苗を育て、糖度も高く皮まで食べられる「もんげー(岡山弁でものすごいの意)バナナ」を百貨店などで販売。1本600円超という高級品が飛ぶように売れたという。

 パパイアやコーヒー豆、パイナップルなどにも応用できるという。アスコでは「農業従事者の高齢化などによって休耕地や耕作放棄地も増える中、新たな果物の栽培が広まれば、国内の食料自給率の向上に寄与できる可能性がある」とする。

 今後、農業従事者らを対象に苗の栽培方法や収穫のタイミングなどに関する講習会を開き、参加者に苗を販売する形で裾野を広げていく。問い合わせはアスコ(084・946・6155)。




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