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小売業なら知っておきたい「カテゴリーマネジメント」の重要性

小売店の売り場において商品の取り揃えや商品の配置を管理することを「カテゴリーマネジメント」といいます。

たとえば、スーパーでステーキ肉が買いたいときには精肉コーナーに行きますよね。精肉コーナーにはさまざまな種類の肉が置いてあります。大抵のスーパーでは肉というカテゴリで来店客がどこに行けばいいのか自然とわかるように商品が置かれています。

さらに、ステーキにはステーキのソース、牛脂、塩胡椒や風味付けのシーズニングが必要な人もいるでしょう。来店客がそれらを探し回らずにすむように、ステーキ肉に近いところにそれらの商品を配置することで来店客の利便性を高め、他の商品も購入するための動線を作ることによって売上を上げることも可能です。

カテゴリーマネジメントは、来店客が何を欲しているかを先回りして考え商品を配置するマネジメント方法です。

カテゴリーマネジメントの8つのステップ

カテゴリーマネジメントはアメリカで生まれた考え方で、その後ヨーロッパにも広まりました。アメリカ型(US8)、またアメリカ型から派生したヨーロッパ型(EC8,D2D)がありますが、アメリカのECR委員会が承認した8つのプロセスは以下のものです。

出典:Your Article Library, Category Management: Definitions, Significance and 8-Steps Process
http://www.yourarticlelibrary.com/retailing/category-management-definitions-significance-and-8-steps-process/48198

  1. カテゴリーの定義
  2. カテゴリーの役割
  3. カテゴリーの評価
  4. カテゴリーのパフォーマンス
  5. カテゴリーの戦略
  6. カテゴリーの戦術
  7. カテゴリーの実行
  8. カテゴリーの改訂

今でいうPDCAサイクルに近いものがあります。カテゴリーの定義を行い、戦略を立て実行し、改善すべきところは改善するというステップを踏みます。

カテゴリーマネジメントの効果

カテゴリーマネジメントは小売店だけが実施するわけではありません。

時には卸業者やメーカーとも協力して、売れる商品配置を考えます。商品が売れるようになれば小売業者はもちろん、次の仕入れにもつながるため、卸業者やメーカーにとっても売上につながり全体的な利益につながります。またメーカーが新商品を発売する際やキャンペーンを行いたい時に小売店と協力することで宣伝を行うことができます。

カテゴリーマネジメントの定義

冒頭で例を挙げたのでなんとなく意味はつかめたかと思いますが、カテゴリーマネジメントとは厳密に言うとどのような定義なのでしょうか。

 ブライアン・ハリスが提唱した概念で、その定義は「自社の戦略や目標に基づいて商品分野(カテゴリ)を設定し、商品を管理していくことであり、消費者に価値を提供することに集中することによって、業績を改善していくこと[関連用語]デスティネーション(一番商品群),プリファード(優位商品群),ルーティン(定番商品群),オケージョナル/シーズナル,コンビニエンス

出典:Store Manager
https://www.tanawari.jp/abc/

カテゴリーマネジメントはアメリカにおいて1980年代頃から登場したビジネスモデルです。1990年代にアメリカのECR委員会が(ECRの意味はEfficient Customer Reaction:効率的消費者反応)が発表した分類があり、ディスティネーション(一番商品群)、プリファード(優位商品群)、ルーティン(定番商品群)、オケーショナル、シーズナル、コンビニエンスと6つのカテゴリーに分けることができます。以下では6つのカテゴリについて簡単に触れていきたいと思います。

ディスティネーションとは

カテゴリーマネジメントの中には「ディスティネーション」という用語が出てきます。

ディスティネーションは「一番商品群」という意味ですが、言葉だけでは何のことなのかイメージできません。ディスティネーションとは具体的にいうと、「来店客が小売店に足を運ぶ理由」を指します。
例を挙げるとすると、ディスティネーションには以下のものが挙げられます。

  • 立地がいい
  • 商品が安い
  • 他の店にはない商品を取り揃えている
  • 店員のサービスが良い

つまり、ディスティネーションとは「小売店の店舗がそれぞれ持っているアピールポイント」のことです。
ディスティネーションがわかっている小売店とそうでない小売店では、マーケティング方法にも差が出てきます。店舗のアピールポイントがわかっている店では、正しいマーケティング方法で他の店舗との差別化を図ることができますが、強みがわからない店ではどの点に力を入れればいいのかわからないでしょう。

このため、ディスティネーションをまずはっきりと分析・認識することはカテゴリーマネジメントでは重要なのです。

プリファードとは

プリファードとは優位商品群とも呼ばれ、「よく売れる商品」のことを指します。高い利益を出すことができるカテゴリで、店舗のキャッシュフローとROA(※)を高めます。ディスティネーションの次に力を入れるカテゴリです。
※Return On Assets(総資産利益率)の略。当期純利益÷総資産で求められる値。

ルーティンとは

ルーティンは定番商品群のことで、年間を通じて売れる定番商品のことです。このカテゴリーの商品は他の店舗でも同様に売れるものでもあります。

オケーショナル/シーズナルとは?

オケーショナル/シーズナルは、おおよそ似たような意味です。オケーショナルは不定期の、シーズナルは季節の、という意味です。1年を通して定期的に売れる商品ではないものの、時折売れる商品を指します。小売店の商品配置を構成する上では、こういった時折売れる商品を置いておくことも顧客のニーズに応えるために必要なことです。

コンビニエンスとは?

コンビニエンスは、消費者が便利だと思う商品を店頭に配置することを指します。惣菜や弁当などのすでに完成された料理が挙げられます。消費者のニーズを先読みして商品を置くことで来店客の利便性を高めます。

カテゴリーマネジメントについて体系的に学べる本

アメリカの小売コンサルティングを専門に行っていたブライアン・ハリスによって執筆された「カテゴリーマネジメント入門」(出版:商業界)があります。カテゴリーマネジメントについての知識を体系的に学べるので、小売業界で働いている方であれば知識として頭に入れておくのも良いでしょう。

参考:Amazon
https://www.amazon.co.jp/カテゴリーマネジメント入門-ブライアン・ハリス/dp/4785502932

カテゴリーマネジメントにおけるPOSデータの活用

カテゴリーマネジメントを実行する際、POSデータを用いることで来店客の消費行動を分析しやすくなります。POSは商品の在庫情報の表示などの管理を行うこともできますが、来店客の属性を集計・分析するのにも非常に便利なツールです。

売り上げを伸ばすためにはまず商品を購入する来店客の属性を把握することが肝心です。来店客の性別・年代・ライフスタイルに合うような商品を把握し、売れる傾向にある商品の分析を行うことでどのような商品が売り上げにつながりやすいかがわかります。

また、来店客がポイントカードを作ることによってPOSで会員情報を管理することが可能なため、来店客の属性について知ることができるという点でも便利です。

まとめ

カテゴリーマネジメントにおいては、店舗の持つ特色をまず理解することから始めると良いでしょう。店舗の持つ強みを意識することによってどのような店舗づくりをしていくべきかがわかってくるはずです。

また、来店客のニーズを正確に把握する必要もあります。来店客の年代層、性別、生活スタイルなどを分析することによって、どういった商品を仕入れるべきかがわかります。これにはPOSの活用を行うことによって集計を取ることができます。

来店客の目線で利用しやすく便利な売り場づくりを第一に行うことで、さらなる売り上げアップに期待することができるでしょう。




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