人の弱みに付け込むモンスターを生み出した —— テック界の関係者が語る後悔とは – BUSINESS INSIDER JAPAN

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Facebook初代社長のショーン・パーカー(Sean Parker)氏

Facebookの初代社長ショーン・パーカー(Sean Parker)氏。

Theo Wargo/Getty Images for Global Citizen

  • フェイスブック(Facebook)の初代社長ショーン・パーカー氏は、Facebookが人間の「脆弱性」に付け込んでいるとして非常に批判的だ。
  • 「それが子どもたちの脳にどのような影響を与えているかは、誰にもわからない」と同氏は言う。
  • 同氏のコメントは、テック界で広がりつつある、自らが開発に携わった製品に対する幻滅や懸念を示す流れの一部だ。

「それが子どもたちの脳にどのような影響を与えているかは、誰にもわからない」フェイスブックの創業から1年弱の2004年に同社に参加し、初代社長を務めたショーン・パーカー(Sean Parker)氏は、Facebookについて気掛かりな警鐘を鳴らしている。

ファイル共有サービスNapster(ナップスター)などを起業したことで知られる同氏は、米ニュースサイトAxiosに対し、自身が危惧するソーシャルメディアの危険性と、それが人の「脆弱性」にどのように付け込んでいるかについて、率直に語った

「『どうすれば、ユーザーの時間や意識、注目を最大限に奪えるか? 』という、Facebookをはじめとしたアプリ開発者の思考プロセスが全てを物語っている」とパーカー氏は言う。

「そのためには、ユーザーの写真や投稿などに対して『いいね』やコメントがつくことで、ユーザーの脳に少量のドーパミンを分泌させることが必要だ」と同氏は指摘する。「そうすることで、ユーザーがより多くのコンテンツを投稿するようになり、ユーザーはコメントやいいねを更にもらえるようになる」

「これが、社会的評価のフィードバック・ループだ……人間の心理に存在する『脆弱性』に付け入る、私のようなハッカーが思いつくような発想だ」と同氏は付け加えた。

「発案者や開発者 —— つまり私やマーク(ザッカーバーグ氏)、インスタグラムのケビン・シストロム(Kevin Systrom )氏やその他大勢はこれを認識し、そして理解していた」「だが、私たちはそれを世に送り出したんだ」

パーカー氏の発言について、Business Insiderはフェイスブックにコメントを求めたが、すぐに返答は得られなかった。

テック界の一部は幻滅、そして懸念を強めている

テック界で自身が開発に携わった製品に対し、幻滅と懸念を示しているのは、パーカー氏だけではない。グーグルの元幹部トリスタン・ハリス(Tristan Harris)氏も、テック企業の製品がいかにユーザーの心を乗っ取っているか、辛らつに批判している。

「もし自分がアプリだったとして、どうすればユーザーにはまってもらえるだろうか? スロットマシーンに変身すればいい」自身が2016年にブログ・プラットフォームの「ミディアム(Medium)」に投稿、広くシェアされた記事の中で、ハリス氏はこう述べている。

「スマートフォン、通知画面、ウェブブラウザは、私たちの心や対人関係の、衝動ではなく価値観を反映した外骨格でなければならない」同氏はそう述べた上で、「人々の時間は貴重だ。そしてこれは、プライバシーやその他のデジタル権利と同じくらい厳格に保護されるべきだ」と続けた。

iPhone X

iPhoneはポケットの中のスロットマシーン?

Hollis Johnson

英紙ガーディアンは最近の特集で、シリコンバレーのビジネス慣行について、批判的なテック企業の従業員や業界有識者をインタビューした

このうちの1人であるローレン・ブリヒター(Loren Brichter)氏は、今やスマートフォンで広く採用されている、スロットマシーンのように画面を下に引っ張ることで画面を更新できるメカニズム「引っ張って更新(Pull to Refresh)」を生み出したデザイナーだ。同氏は「私が今まで行ってきたことが、社会や人類にとって少しでも良い影響をもたらしたのかどうか、何時間も何週間も、何カ月も何年も悩み続けています」とコメントしている。

「『引っ張って更新』には中毒性がある。ツイッター(Twitter)にも中毒性がある。これらは良いことではない。開発当時は、そのことに考えが及ばないような未熟者だった。今も未熟ではないとは言わないが、以前よりはいくらか思慮深くなっており、この負の一面を後悔している」と同氏は付け加えている。

フェイスブックやグーグルの投資家、ロジャー・マクナミー(Roger McNamee)氏も、ガーディアンのインタビューに答えた1人だ。「フェイスブックやグーグルを運営している人たちは善い人たちだ。ただ、彼らが良かれと思って取った戦略は、意図せぬ恐ろしい結果をもたらしてしまった……問題は、現在の広告モデルを切り捨てる以外に、これらの企業がこうした弊害に対処する方法がないということだ」と同氏は話している。

パーカー氏やその他の関係者のコメントは、シリコンバレーに対する世論が悪化している証拠の1つだ。フェイスブックのようなテック企業は、かつては大いに賞賛され、理想とされてきたが、今や「フェイクニュース」やロシアのプロパガンダ拡散の一端を担ったとして、厳しい批判にさらされている。

[原文:Billionaire ex-Facebook president Sean Parker unloads on Mark Zuckerberg and admits he helped build a monster (FB)

(翻訳:Yuta Machida/編集:山口佳美)




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