キャリアリンクは18年2月期減益予想の織り込み完了して戻り歩調 – 財経新聞

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 キャリアリンク<6070>(東1)は「チーム派遣」を強みとする総合人材サービス企業である。18年2月期(連結決算に移行)は新たな大型案件に取り組むため利益率が低下するが、BPO関連事業部門が牽引して中期成長シナリオに変化はないだろう。株価は18年2月期減益予想の織り込みが完了して戻り歩調だ。

■BPO関連事業部門が主力の総合人材サービス企業


 官公庁・地方公共団体・民間企業向けBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)関連事業部門を主力として、企業等のコンタクトセンター(コールセンター)向けCRM(カスターマー・リレーションシップ・マネジメント)関連事業部門、製造・物流分野の製造系人材サービス事業、一般事務職分野の一般事務事業部門など、人材派遣・紹介や業務請負などの総合人材サービス事業を展開している。

 17年2月期の事業別売上高構成比はBPO関連事業部門66.1%、CRM関連事業部門15.7%、製造系人材サービス事業11.5%、一般事務事業部門6.7%だった。

 なお製造系人材サービス事業を新設子会社キャリアリンクファクトリーに事業承継し、18年2月期から連結決算に移行した。これに伴って報告セグメントは、事務系人材サービス事業および製造系人材サービス事業とした。

■顧客企業の業務効率化を実現する「チーム派遣」に強み


 顧客の業務効率化や品質向上などを実現する企画提案型の人材派遣および業務請負を特徴としている。特にBPO関連事業部門では、顧客企業の業務効率化や業務処理品質向上を実現するために「単なるスタッフ派遣」ではなく、経験豊富な社員をリーダーとして編成した「チーム派遣」を強みとしている。顧客にとっては、自社による導入時の研修や導入後の業務指導などに係る負担が軽減され、発注から短期間で大量業務処理の稼働開始が可能になるというメリットもある。

 また1000名を超える大型案件でも、稼働開始まで短期間で対応できるノウハウを有していることも強みだ。スタッフに対してはキャリアパス制度などを活用して能力、満足度、出勤率、稼働率を高める仕組みを構築しており、こうした仕組みもチーム派遣や大型案件に対する短期間での対応を支えている。

■18年2月期(連結決算へ移行)2Q累計は計画未達で実質減収減益


 今期(18年2月期、連結決算へ移行)第2四半期累計(3~8月)連結業績は売上高が87億18百万円、営業利益が3億35百万円、経常利益が3億31百万円、純利益が2億17百万円だった。

 前年同期の非連結業績との比較で売上高が8.1%減収、営業利益が40.0%減益、経常利益が40.3%減益、純利益が38.9%減益だった。民間企業向けBPOプロジェクト大型案件の一つで業務処理量が想定以上に縮小した影響で計画を下回り、実質減収減益だった。売上総利益率は18.8%で1.5ポイント低下、販管費比率は15.0%で0.6ポイント上昇した。

 セグメント別に見ると、事務系人材サービス事業は売上高が11.8%減の75億円(BPO関連事業部門が4.7%減の61億77百万円、CRM関連事業部門が35.0%減の9億05百万円、一般事務事業部門が33.0%減の4億17百万円)で営業利益が3億08百万円、製造系人材サービス事業は売上高が23.4%増の12億18百万円で営業利益が26百万円だった。

 BPO関連事業部門は大手BPO事業者・官公庁・金融機関・SIer等からの案件を新規受注したが、民間企業向けBPOプロジェクト大型案件の一つで業務処理量が想定以上に縮小した。CRM関連事業部門は、テレマーケティング事業者向けで、地方での新規受注があったが、首都圏におけるコールセンター業務の受注回復が遅れた。またCRM関連事業部門、一般事務事業部門では、BPO関連事業部門での売上計上の案件があったことも影響した。製造系人材サービス事業では食品加工業者および大手家電メーカー等からの受注が好調だった。

■18年2月期通期も実質減益予想


 今期(18年2月期、連結決算へ移行)の連結業績予想(4月14日公表)は、売上高が前期(17年2月期の非連結業績)比3.2%増の190億56百万円、営業利益が同29.1%減の7億09百万円、経常利益が同29.5%減の7億円、純利益が同27.2%減の4億67百万円としている。

 BPO関連事業部門では取引自治体数拡大、中央官庁大型案件の受注強化、恒常的公共サービス領域への展開、競争力・利益率向上とナレッジ化推進、金融業界の多様なアウトソーシングニーズの大型案件への昇華、アライアンス戦略の強化、SVやコアOPの戦略的配置による取引拡大加速、ISO9001認証取得による更なる運用力の強化、自社コンタクトセンターの活用といった施策を推進する。

 通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が45.78%、営業利益が47.23%、経常利益が47.3%、純利益が46.5%である。新たな大型案件に取り組むため利益率が低下して実質減益予想だが、概ね順調な水準と言えるだろう。なお配当予想は17年2月期と同額の年間10円(期末一括)としている。予想配当性向は26.8%となる。

■BPO関連事業部門が成長エンジン、M&Aによる領域拡大も推進


 中期経営計画(ローリング方式、18年2月期~20年2月期)では、BPO関連事業部門を成長エンジンとした成長戦略を加速させる方針を掲げ、営業戦略の基本を大型BPO案件の獲得による売上規模拡大、企画提案力・運用力の強化とチーム派遣の拡大、M&AによるBPO関連事業部門の領域拡大としている。

 目標数値には、20年2月期売上高268億円(BPO関連事業部門186億円、CRM関連事業部門30億円、一般事務事業部門6億円、製造系人材サービス事業45億円)、営業利益14億40百万円、経常利益14億30百万円、純利益9億670百万円を掲げている。

 BPO関連事業部門は高品質なBPOサービスにより顧客満足度No.1のBPOを実現する。CRM関連事業部門は高付加価値な提案により、BPO化につなげていく。一般事務事業部門は高利益案件の周辺業務を取り込み、BPO化を推進する。製造系人材サービス事業は、人材が払底する製造マーケットで強力な供給を実現する方針だ。

■中期成長シナリオに変化なし


 中期的に事業環境は良好である。官公庁・地方公共団体関連では財政健全化に向けた費用抑制の流れ、サービス向上や業務効率化のニーズ増大も背景として、官から民間への業務委託・移管の増加が予想されている。民間企業関連ではコア事業への経営資源集中や固定費の変動費化の流れも背景として、業務のアウトソーシング化が一段と増加すると予想されている。

 人件費・採用費・教育研修費の増加への対応、人材の採用・開発および早期収益化が課題となるが、研修センターや人材開発部の新体制で研修や人材開発を強化する方針だ。改正労働者派遣法も追い風であり、BPO関連事業部門が牽引して中期成長シナリオに変化はないだろう。

■株主還元は総合利回りの向上を目指す


 株主還元については基本方針として、現金配当と株主優待を合算した総合利回りの向上を目指している。

 株主優待制度は毎年8月31日現在の1単元(100株)以上保有株主に対して実施している。優待内容(16年6月1日付株式2分割後)は100株以上~200株未満保有株主に対してQUOカード500円分、200株以上~500株未満保有株主に対してQUOカード1000円分、500株以上保有株主に対してQUOカード2000円分を贈呈する。

■株価は18年2月期減益予想の織り込み完了して戻り歩調


 株価は9月6日の直近安値531円から切り返して戻り歩調だ。第2四半期累計業績に対するネガティブ反応は限定的であり、18年2月期減益予想に対する織り込みが完了したようだ。

 10月27日の終値578円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS37円32銭で算出)は15~16倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は1.7%近辺、前期実績PBR(前期実績のBPS254円44銭で算出)は2.3倍近辺である。時価総額は約73億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線突破の動きを強めている。出直りが期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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